『MEG ザ・モンスター』ジェイソン・ステイサム&監督、本当はR指定で作りたかった ― 「血みどろにできなくて残念」

2018年9月7日(金)に公開されるや、日本でも週末映画ランキングの首位を獲得した映画『MEG ザ・モンスター』。久々に全国公開される“サメ映画”にして、漢ジェイソン・ステイサムと超巨大ザメ「メガロドン」の対決という組み合わせが幅広い層から注目を集めている、この夏を締めくくるアトラクション・ムービーだ。
ところがこの映画、主演のジェイソン・ステイサム&ジョン・タートルトーブ監督にはある心残りがあるらしい。それは“スタジオ側の意向でR指定にできなかった”ということだ。米国公開当時、二人はインタビューでその胸中を語っている。

「血みどろにできなくて残念」
『MEG ザ・モンスター』は、ワーナー・ブラザースほか製作会社が「老若男女観られるサメ映画」を目指した作品だ。PG-13指定(13歳未満が鑑賞する場合には保護者の注意や指導が望ましいとされる)に収まるよう、タートルトーブ監督は「ギリギリを狙った」という。米Bloody Disgustingにて、監督は「おかしな話ですけど、レーティングを判断する人たちは人間の首ほどクジラの肉塊は気にしないんですよね」と話しているのだ。
「この映画をもっと血みどろに、気持ち悪くできなかったのがとても残念です。僕も妻も、子どもたちが映画を観られるのはうれしいんですよ。ただし、すごく怖い、気持ち悪い、血みどろの死を用意していたのに、それはできなかった。そのことは悲しいですね。すごく良い場面もあったんですが、完成版には残らなくて。」
実際のところ、撮影現場ではグロテスクなシーンが撮影され、さらにCG処理も進められていたという。しかしPG-13指定を守るため、泣く泣くその手のシーンはカットすることになったそうだ。完成版について、監督は「血が好きじゃない人や14歳より小さい子どもでも映画館に行けるほど楽しい映画になりました」と強調する。
「血やグロテスクな部分をカットするのはためらいましたよ。それでもストーリーが台無しになるならカットしなかったんでしょうけど、(カットしても)問題なかったですからね。」
なおタートルトーブ監督いわく、削除したシーンの中には「ある人物が生きているかと思いきや、頭しか残っていないことがわかる」という場面があったそう。ちなみに米CinemaBlendのインタビューでも、監督は「もっとグロテスクに、でも愉快に人が死ぬ映画になるはずだったんですよ。映画の中で人が死ぬのは楽しいですからね」と発言している。よほど心残りだったのか…。

ジェイソン・ステイサムも「血みどろなのが好きなので」
米Colliderでは、主演のジェイソン・ステイサムによって、本作の脚本が大きく変更されていったことが明かされている。本編冒頭のシーンもステイサムが最初に読んだ脚本には存在しなかったとあって、映画は制作の中で形をどんどん変えていったのだろう。その変貌ぶりはステイサムも戸惑うほどだったようで、おそらくグロテスクなシーンもそうした過程で削除されたとみられる。
「ジョン(・タートルトーブ監督)は、楽しい、夏の終わりの映画にしようとしていました。ユーモアがたくさんあってね。僕はもっと血みどろなのが好きなので、ちょっと方向性は違ったんですけど。僕のアイデアだと、多くの人が観たいとは思わない映画になっていたかもしれませんね。僕は映画監督じゃなくて、役を演じる俳優なので、何がどうなりうるとか、自分自身のアイデアにはこだわりすぎないようにしています。[中略]それでも“血はどこだ!”とは思いますけどね。」
ちなみにタートルトーブ監督は、同じく米Colliderのインタビューにて、未公開シーンをブルーレイ&DVDに収録するつもりはないことを語っている。理由は「削除したシーンは削除したシーンだから」で、それに足る理由があるからだとか。そもそも監督はBloody Disgustingにて、未公開シーンをソフトに収録するという“お約束”にも懐疑的な意見を語っているのである。
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