コッポラ最新作『メガロポリス』9月に米国公開決定、IMAX上映も ─ アジアでも配給交渉中

『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』(1979)の巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督最新作『メガロポリス(原題)』の米国公開が決定した。ライオンズゲートが配給を担当し、2024年9月27日に劇場公開される。米Varietyが報じた。
本作はコッポラが1980年代から構想を温め、「自らの最高傑作」と豪語する自信作。第77回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にてワールドプレミアを迎え、上映後には7分間のスタンディングオベーションが起こったという。米国公開の決定に先がけ、フランスやイギリス、ドイツなどヨーロッパ各国では配給権が取得されていた。
米国配給権を獲得したライオンズゲートは、過去にも『地獄の黙示録 ファイナル・カット』(2019)や『カンバセーション…盗聴…』(1973)、『コットンクラブ』(1984)をコッポラ自身が再編集した『The Cotton Club: Encore(原題)』などを米国にて配給。本作ではソフト化・配信を含む権利も取得しているという。
『メガロポリス』の米国公開決定にあたり、ライオンズゲートの映画部門を統括するアダム・フォーゲルソン氏は以下の声明を発表した。
「フランシスは伝説です。多くの人びとにとって、彼の映画は、自分のキャリアを映画に捧げるきっかけのひとつでした。彼との仕事ができること、この素晴らしい、独創的でユニークな映画を劇場の観客に届けられることを光栄に思います。ライオンズゲートは大胆で勇敢なアーティストの拠点となるよう努めており、そして『メガロポリス』は巨匠フランシス・フォード・コッポラが誰よりも大胆で勇敢であることを証明しています」
また、コッポラも「私が常に守り、(利益のために)優先してきたビジネスのルールのひとつは、良き友人であり、また素晴らしい協力者であると長い時間をかけて証明されてきた企業やチームと仕事を継続すること」とコメント。ライオンズゲートとの再タッグを喜び、「45年目を迎えてもなお驚異的な収益と評価を得ている『地獄の黙示録』と同じく、心からの愛と配慮を注いでくださると確信しています」と述べた。
本作は米国でIMAX上映も予定されている。ただし報道によると、時期的にはクリストファー・ノーラン監督『インターステラー』(2014)の再上映とスクリーンを共有するほか、翌週には『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が公開されるため、早々にIMAX上映が終了する可能性もありそうだ。
『メガロポリス』は、大災害に見舞われ廃墟と化した現代アメリカの街を再建しようとする天才建築家セザール・カティリナ(アダム・ドライバー)が、理想の未来のためにユートピアを造ろうとするが、利権に固執する市長フランクリン・キセロ(ジャンカルロ・エスポジート)と対立。カティリナは市長の娘ジュリア(ナタリー・エマニュエル)と恋愛関係にあり、2人の間で揺れ動く……。共演者はオーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、キャサリン・ハンター、ダスティン・ホフマンら。
現時点で日本公開は未定だが、今回の報道によれば、アジア圏での配給権をめぐる交渉も進められているとのこと。朗報の到着に期待したい。
▼フランシス・フォード・コッポラ の記事
巨匠コッポラ問題作『メガロポリス』6月20日IMAX上映決定 ─ 賛否両論の一大叙事詩をその目で確かめろ 今年最大の話題作 「アイスマンよ安らかに」ヴァル・キルマーを著名人ら追悼 ─ 『ヒート』監督「とてつもなく悲しい」ジョシュ・ブローリン「そっちでまた会おう」 ヴァル・キルマーを偲んで ラジー賞最低監督賞、コッポラが逆に感激コメントで懐の広さと皮肉見せる「リスク恐れる業界のルールに従わない」「偉大な監督と並べて光栄だ」 痺れる 2025年ラジー賞ノミネート発表、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が最多に 笑って流しましょうね 巨匠コッポラ、「つねにリスクを選ぶ」映画づくりの哲学 ─ 「映画とファストフードに大した違いはないと考える人たちがいる」 最新作のためにワイナリーを売却
Source: Variety