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『モンスターハンター』中国公開中止を受けて監督・俳優陣が声明発表「責任は100%私たちにある」─ 全世界で台詞削除へ

モンスターハンター
(c) Constantin Film Verleih GmbH

実写版『モンスターハンター』が、2020年12月4日に中国公開された翌日、本編で見られた人種差別とも捉え兼ねない台詞が波紋を呼び公開が中止となった。この度、先日の製作会社による謝罪・対応発表に引き続き、監督のポール・W・S・アンダーソン、件の台詞を発した中国系の歌手・俳優のMC Jin、主演のミラ・ジョヴォヴィッチが声明を発表している。

問題となった台詞というのは、冒頭での国連軍隊員たちの会話の中にあった。中国系の歌手・俳優のMC Jinが演じる一人の隊員が、運転している白人の隊員に対して「Look at my knees!(僕の膝を見て)」と聞き、「What Kind of Knees are these?(どんな膝だ?)」と運転手に切り返されると、「Chinese!(チャイニーズ!)」と返すという一連の会話だ。

このシーンを巡り中国の観客からは、米国にて古くから伝わり、現在では中国人や日本人に対する差別的な表現とされる言葉遊び「Chinese, Japanese, dirty knees. Look at these(中国人、日本人、汚い膝。これを見て)」を想起させるという指摘が相次いでいた。この事態を受けて、製作会社側が謝罪及び本編から問題の台詞を削除する事態に発展。それに続いて、監督と俳優陣による声明が発表している。

ポール・W・S・アンダーソン

『モンスターハンター』に登場する台詞により、中国の観客の皆様を傷付けてしまったことを深く申し訳なく思っています。一連の台詞と解釈が引き起こした不安や動揺を心から謝罪申し上げます。『モンスターハンター』は楽しい娯楽として製作したつもりでしたが、その中で意図しない問題を引き起こしてしまったことを悔しく思っています。敬意を表明するためにも映画から一連の台詞は削除させて頂きました。誰かに対して差別や軽蔑するような意図は決してなく、寧ろ私たちが考えている映画の本質とは団結することなのです。

MC Jin

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『モンスターハンター』が中国で最近公開されましたが、私が演じた役柄が口する台詞により激しい論争が繰り広げられています。この台詞は称えるためのものだったので、この事態に発展してしまった事は残念でなりません。

この状況について私自身から表明する必要があると感じたのは、キャリアのためではなく、更に深く大事な私のルーツのためです。私は過去20年間、自分の仕事を通して、コミュニティを受け入れて、前向きな声を上げて来ました。私は今も、そして今後も私の国を誇りに思います。

中国のファンの皆様には、ご支援とご理解を頂けますようお願い申し上げます。

ミラ・ジョヴォヴィッチ

※MC Jinの投稿にコメントする形で。

あなたが謝罪しければならないと感じたことを悲しく思っています。あなたは素晴らしい方で、プライドを持って常に中国について積極的に言葉にして来ました。アドリブのあの台詞は、人々を侮辱するためではなく、そのプライドを人々に思い出させるために作られたのです。私たちは歴史的な背景について調べるべきでした。その責任は100%、私たちにあります。しかし、あなたは何も間違った事はしていません。あなたも含めて誰も、『汚い膝(dirty knees)』については聞いたこともありませんでした。不幸な間違いであり、中国の翻訳も役に立ちませんでした。あなたのことを私たちは尊敬していますし、楽しくて刺激的な作品を共に出来た事を誇りに思っています。気を落とさないでくださいね。この騒動を引き起こしたのは、私たちの配慮が足りなかったことや、第二次世界大戦時代の韻について調べなかったことです。ジン、愛しています。

本記事時点で、中国での公開が再開されるのかは発表されていない。Deadlineによると、同台詞は全世界で削除されるという。

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Source: Deadline , MC Jin

Writer

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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