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『ミッション:インポッシブル』イーサンとグレースの恋愛描写は「古臭いから」 ─ ヘイリー・アトウェル単独ロングインタビュー

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ヘイリー・アトウェル 来日インタビュー
©︎ THE RIVER

クルーズからの答えはこうだった。“人と接するのが不安になると、人は内にこもって、自意識過剰になりがち。そんな時は逆のことをやるんだ。自分の環境に意識を向けて、何に恐れをなしているかを見つけるんだ。誰か怖い人がいるのか?人が多すぎて緊張するのか?それとも知らない人ばかりで不安なのか?本当は何に恐れているのか、それを見つけて立ち向かうんだ。”……「このアドバイスは、あらゆる場面で通用すると思います。恐れから逃げたり、閉ざすのではなく、むしろ恐れの原因に目を向けることが大切なのですね」。

ところでアトウェルは、ロンドンのドゥルリーレーン・シアター・ロイヤルで公演のシェイクスピア劇『空騒ぎ(Much Ado About Nothing)』ではトム・ヒドルストンと共演中だ。トム・クルーズとトム・ヒドルストン、二人の“トム”と共演するアトウェルは彼らの姿を通じて、「素晴らしい役者たちは、『初心者の心(ビギナーズ・マインド)』をずっと持っている」ことを学んだ。「いつまでも生徒であり続け、常に学ぶ姿勢を持っています。そしてオープンであること。素晴らしい役者は、聞く力に優れています。自分のことだけではなく、他の人がどう思っているかに敏感で、だからこそシーンの中で他者と繋がり、共鳴できるんです」。

トム・クルーズは「最新作をとにかく片っ端から鑑賞して、そこから学ぼうとしていること」と、アトウェルは彼の持つ「初心者の心」のあり方を紹介する。「彼は最新作を鑑賞しては、『この演技は何がすごいのか』『このショットは何がすごいのか』『この音楽は何がすごいのか』を考えている。そして、自分の過去の仕事から学び、より良いものを目指しているんです。そうやって常に進化しようとしているから、彼は今の映画業界の流れにも敏感で、心を開いたまま、謙虚なままでいられる。自分に対してもとても正直で、『もっと自分を追い込もう』という気持ちでいるのです」。

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング 記者会見

舞台で共演のトム・ヒドルストンといえば、マーベル作品におけるロキ役でお馴染み。アトウェルもペギー・カーター役を演じており、二人はマーベル仲間でもある。

ロキもグレースも、生き延びるために嘘や騙しを使うキャラクターだ。「ヒドルストンのロキ役からインスピレーションを受けたことは?」と尋ねると、「確かに似ていますね!」と楽しそうに笑いながら、きちんと解釈を答えてくれた。

「ロキもグレースも、『カオスをもたらすもの』だと思います。二人は行く先々に混乱を起こす。グレースは、ロキほど小悪魔的・イタズラ好きではありません。グレースはもっと、生きるのに必死。一方、ロキはイタズラを楽しんでいます。でも、二人ともとても楽しいキャラクターで、役者として演じるのも素晴らしい役です。役者というのは時に子ども心を感じながら、遊びや探究心、好奇心を持つものですから。そしてトム・ヒドルストンは、まさにそうした素質をお持ちです。とても遊び心に溢れた方ですからね。」

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』ヘイリー・アトウェル 来日インタビュー
©︎ THE RIVER

もしもグレースがペギー・カーターに出会ったら、彼女から何を盗み出す?「すごく良い質問!きっとペギー・カーターが所持しているスティーブ・ロジャースの血液サンプルを盗み出すと思います!それを使ってグレースはスーパーソルジャーになるんじゃないかな?」遊び心のある笑顔を弾けさせ、アトウェルはどんなことも楽しそうに答えてくれる。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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