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サイモン・ペッグ、ベンジー役は「着心地の良いスーツのよう」 ─ 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』来日インタビュー

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』サイモン・ペッグ 来日取材
©︎ THE RIVER

本作でハイライトとなる南アフリカでの飛行機スタントシーンの撮影には立ち会えなかったが、「スタントパフォーマーとしてのトムのことはいつも信頼しています。彼は細心の注意を払って撮影に挑んでいる。とてもプロフェッショナルなやり方で取り組んでいるんです。こういうことができるのは、トム・クルーズしかいませんよ」と語る。「でも、もし現場にいたら恐怖で爪を噛んでいたと思います。むしろ現場に行っていなくて良かったかも(笑)」。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』サイモン・ペッグ 来日取材
©︎ THE RIVER

スタントマンとしてのみならず、役者としてもクルーズにも尊敬の言葉を贈る。「僕はトム・クルーズとより親密なシーンやドラマチックなシーン、静かなシーンを演じるのも好きです。本作にもそういったシーンが少しあるのですが、とても気に入っています。だって、彼は役者としても素晴らしい。みなさんトム・クルーズといえばスタントを思い浮かべると思いますが、実は演技力も優れてるんです」。

トム・クルーズは走る姿だけでもシネマティックだ。日本では“トム走り”なんて呼ばれる。「なぜなら、彼が映画そのものだから。彼は歩く映画スタジオです。だから、走るだけでアイコニック。手刀のような手や、高く上げる膝。トム・クルーズといえば、あの走り方ですよね」。

そんな稀代のスターが演じるイーサン・ハントに、ベンジーは長年にわたって力を貸した。何度も冷や汗をかき、死にかけたこともあった。特に『フォールアウト』ではイルサ救出の場面で首を吊り上げられ、あわや死にかけたことも。ペッグは、「ベンジーが今でも悪夢に見ていそうな出来事」としてこのシーンを挙げ、「実は今作で、ベンジーがPTSDを患うという設定について話し合ったことがあったんです」と明かす。

「彼が経験してきたことには、必ずそういった影響が出るはずだから。でも、ちょっとシリアスすぎる気がして。この映画は明るくて楽しい。僕たちはアニメキャラクターみたいに、顔を叩かれ、ただ進んでいく。そういう具合ですから。」

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』サイモン・ペッグ 来日取材
©︎ THE RIVER

極限のストレスを抱えるであろうベンジーは、きっと自宅でゲームをしてリラックスしているだろうとペッグ。彼が聴いていそうな音楽について尋ねると、「なんだろう?きっと、マイナーなJ-POPを聴いているかも。それか、ピチカート・ファイヴ!」と、日本通らしい一面を覗かせた。

キャリアの今後について、「もっとドラマ作品での役を演じたい」と思い描く。「長年コメディをやってきたから、役者としてもっと違う筋肉を動かしたい。それから、今は監督業にも取り組んでいます。面白くて新鮮なことをやり続けるのが、僕の目標」。一方で新たなフランチャイズものにあまり関心はなく、マーベル映画での可能性にも消極的。「時間がかかりすぎ、人生の大部分を費やすことになるから」と、今は自分の道を独自に歩むことを大切にしている。「でも『スター・トレック』の新作は、またいずれできたらいいなと思っています」。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』サイモン・ペッグ 来日取材
©︎ THE RIVER

監督のクリストファー・マッカリーについては、「毎作品で新しいことを学び、学んだスキルを次作に取り入れる」と話す。「本作では、彼がこれまでに習得したことが総動員されています。なので理論的に、本作は『ミッション:インポッシブル』史上最大かつ最良の一作になっています」。

いくつもの不可能(インポッシブル)を可能にしてきた『ミッション:インポッシブル』。陸も海も空も全てを駆け抜ける巨大シリーズとなったが、今後はどこへ向かうだろうか?

「わかりません。毎作、終わるたびに“これ以上できるのか?” “これを超えられるのか?”と言っています。想像も出来ないです。でも、いつも何とかやっている。次があるのかどうかは、ぜひ『ファイナル・レコニング』を観て確かめてみてくださいね。」

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』サイモン・ペッグ 来日取材
©︎ THE RIVER

ちなみに、『千と千尋の神隠し』カオナシのタトゥーを刻むほどのジブリファンであるペッグ。最新作『君たちはどう生きるか』はまだ観られておらず、鑑賞を楽しみにしているそうだ。ぜひ感想も聞いてみたい。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月17日(土)〜22日(木)先行上映、23日(金)公開。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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