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『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』オペラ中の狙撃シーン、本物の元スナイパーがレビュー「トム・クルーズの射撃位置は良くない」

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
(C) 2015 Skydance Productions and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.(C) 2016 Paramount Pictures.

トム・クルーズが主演を務める人気アクションシリーズ第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)に登場する狙撃シーンを米陸軍の元スナイパーとして知られるニコラス・アーヴィングが、あくまでプロの視点からレビューしている。

アーヴィングはその道のプロが映画・テレビのワンシーンを鑑賞し、その出来に点数をつける、という米Insiderの企画に出演。『ローグ・ネイション』劇中前半、ウィーンのオペラ劇場での狙撃シーンでトム演じるイーサン・ハントが使っている銃に目を付けた。

「高精度のスナイパーライフルをフルートのように見せられているかというと、そうは思いません。スナイパーライフルが正確なのは、色んなもののおかげなのですが、中でも重要なのが銃身です。スナイパーライフルに搭載されている銃身のほとんどが、“フルートバレル”か“フローティングバレル”の造りです。銃身と銃床が互いを干渉しないようにすることで、発射した時の揺れを妨げないようにしてあるんです。

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あのフルート(銃)は、一つなぎの長い物体に見えますね。彼が狙っている標的との距離などは、恐らく正しいと思います。ただ、彼がどの口径で撃っているのかは分かりませんが。」

イーサンが劇場に潜入し、オーストリア首相の暗殺計画を阻止しなければいけないというシーン。冷静に観察するアーヴィングは「でも、トム・クルーズですからね。たぶんすごく正確なんだと思います」とトムのプロ意識を認識しながらも、「トム・クルーズの射撃位置は一番まずいと言わざるを得ませんね」と評した。

一方、アーヴィングが賞賛したのは、レベッカ・ファーガソン演じるイルサ。暗殺を阻止するイーサンと時を場所を同じくして、イルサも遠くから銃を構える。アーヴィングは「女性スナイパーが一番良い位置です」と話しているが、その評価ポイントは……?

「どんなに小さな空間にいても、壁を使った射撃位置ですからね。それが良いアドバンテージになっていて、小さな穴から撃っているのとほぼ同じことです。海外でよく使われるスナイパーの戦術で、壁に小さな穴を開けて、スナイパーは少し下がって穴から撃つんです。[中略]照明を撃つのは実際にはかなり難しいです。私も海外に赴任していた頃などに使っていましたが、奇襲チームが建物を駆け上がる際に照明への銃撃が役に立つんです。周りが見えにくくなって中心も分からなくなってしまうので、難易度はとても高いです。」

「私だったら、(10点中)5点を与えます。狙撃自体はあり得ますが、シナリオ自体は現実的には感じられません」とアーヴィング。全体的に辛口のようにも聞こえるレビューだが、現実における戦場での緊張感や戦術などもうかがえる。本作のほか、アーヴィングは『007 スカイフォール』(2012)や『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)での狙撃シーンについても話している。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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