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『ミッション:インポッシブル』トム・クルーズの床すれすれスタント、失敗の繰り返しで実現「時間も無かった」

『ミッション:インポッシブル』
© Paramount Pictures 写真:ゼータイメージ

稀代のアクションスター、トム・クルーズによるスパイアクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズでの数ある名スタントの中でも、ブライアン・デ・パルマ監督の第1作『ミッション:インポッシブル』(1996)でトムが自らやってのけた床スレスレの宙吊りスタントは忘れられない。緊迫の瞬間を無事切り抜けたトム演じるイーサン・ハントだが、同シーン実現の裏では人しれぬ労苦が費やされていた。

この宙吊りシーンは、自身の潔白を証明するイーサンが真犯人の情報を入手すべく、CIA本部にあるセキュリティ万全の部屋に天井から潜入した時のもの。イーサンを縄で支えるフランツ役を演じたジャン・レノの必死な姿も印象的であったが、音を出せず地に足をつくこともできない極限の状況でミッションに挑むトムの姿は観客に究極のスリル体験を与えた。

25年前に実施された同シーンの撮影について、シリーズ3作品を共にしてきた監督のクリストファー・マッカリーと共に振り返るトムは、「時間があまりなかったんです」と話す。急ピッチでの撮影とはいえ、難易度の高いスタントだけに一筋縄ではいかなかったようだ。「何度も顔を(地面に)ぶつけて、そのテイクもダメになってしまって」と失敗を明かすトム。高度なバランス力も求められるこのシーンを成功させるべく、トムは重りとして1ポンド硬貨を靴に入れまでしたという。

限られた時間の中での失敗の連続に、デ・パルマ監督も代替案をトムに提示。「ブライアン(監督)は“もう一回やってから、カットしてやろう”とおっしゃっていました」とトムは振り返る。しかし、それでも完璧にこだわったトムは「僕はできます」と監督に返事したという。「それから床に向かっていって、ついに(地面に)触れませんでした。“やった、さわらなかったぞ”と思ったのを覚えています。じっと、じっと、じっと、じーっとして。すごく汗もかいてました」。

失敗を重ねるも、見事に有言実行したトム。その後のシリーズでは、遥かに危険度の高いスタントに身一つで挑んできたトムだが、第1作での宙吊りスタントでの経験は、何事にも全力疾走するトムの心構えを形成する大きなきっかけとなったはずだ。

Source: The Hollywood Reporter

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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