幻のデヴィッド・フィンチャー版『ミッション:インポッシブル3』が叶わなかったワケ ─ トム・クルーズ「まったく違うものになっていた」

『ミッション:インポッシブル』シリーズ第3弾『ミッション:インポッシブル3』(2006)開発中のある時点では、『セブン』(1995)や『ファイト・クラブ』(1999)のデヴィッド・フィンチャーが企画に携わっていたことをご存知だろうか。とある理由によって、フィンチャー版『ミッション:インポッシブル3』は幻となってしまった。
2022年、シリーズ第1作から主演・製作を務めてきたトム・クルーズが米ポッドキャスト番組でフィンチャーとの仕事を振り返り、袂を分かつことになった背景を語っていた。トムは「彼はすごく才能ある方です」と前置きながら、フィンチャー版について「まったく違うものになっていたと思います」と説明し、創造上の相違があったのだと明かした。
さらに、「これまでたくさんの脚本家や監督と仕事を共にしてきましたが、(『ミッション・インポッシブル』)シリーズの本質をうまく捉えられなかった方はたくさんいました」とトム。「彼らのことは尊敬していますし、別のことでぜひご一緒したいです」と続けているが、『ミッション:インポッシブル』では、「観客とのコミュニケーションを理解する」必要があったのだという。トムは明言こそしていないが、きっとフィンチャーもその一人だったのだろう。
その上で、当時のトムが求めていたヴィジョンを完全に理解したのが、最終的に『ミッション:インポッシブル3』の監督に抜擢されたJ・J・エイブラムスだった。トムは当時のエイブラムスについて「彼には優れたストーリー感覚がありました。(ドラマの)『エイリアス』を作っていましたが、彼は構造について議論することに長けていました」と絶賛。「『ミッション』についても、それが何たるかという基盤の部分を理解していた」のだという。
今までに、フィンチャーが構想していた『ミッション:インポッシブル』がどのような物語だったのかは世に出されていない。フィンチャーは企画を離脱して以降、『ゾディアック』(2007)や『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)『ソーシャル・ネットワーク』(2010)など数々の代表作を生み出すこととなった。トムとはまだ一度も仕事を共にしていないが、いつか二人のタッグを見られる日は来るだろうか。
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Source:Light The Fuse