【解説】『メン・イン・ブラック:インターナショナル』過去作へのリスペクト、懐かしのファン楽しませる

地球に生息するエイリアンを監視する秘密組織「MIB」のエージェントたちをユーモアたっぷりに描く『メン・イン・ブラック:インターナショナル』が、2019年10月23日(水)よりブルーレイ&DVDリリースとなる(デジタル配信中)。
『メン・イン・ブラック』といえば、ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの名コンビによって支えられた人気シリーズ。今作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』は、その世界観を受け継ぐ正統な続編で、決してリメイクやリブートではない。だからこそ、過去作へのリスペクトも自然と大きい。この記事では、これまでのシリーズのファンでもしっかり楽しめる本作のポイントを解説しよう。
『メン・イン・ブラック』正統な続編

本作の監督は『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)や『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)など、キャラクターの観せ方を心得えたF・ゲイリー・グレイ。「ウィルとトミーに対するファンの愛情は深く理解した上で企画に入りました。彼らの代えを作るのではなく、新たなチームを加えようとしているのです」と説明する。
そのため、シリーズおなじみの面々が多数登場。前作『メン・イン・ブラック3』(2012)で、亡くなったエージェントZに代わってMIB本部長に就任したエージェントOも、もちろんエマ・トンプソン続投で再登場する。印象的なニューヨークのMIB本部入り口でいつも新聞を読んでいる守衛や、喋るパグ犬のフランク、陽気なワーム・ガイなど、懐かしい仲間たちに再会しよう。
製作には、過去3作に加え、1997年〜2001年のTVアニメシリーズまで手掛けたウォルター・F・パークスが続投。「前3作は、ウィルとトミーならではのケミストリーや、バリー(前3作監督のバリー・ソネンフェルド)のコミック的アプローチに非常に支えられていました。だから、鮮烈な個性に、あの関係性を継承する役者が必要だったんです」と語り、「幸運にも、その種を『マイティ・ソー』で見つけた」と振り返る。
そう、本作でウィルとトミーに変わってバディを組み合うのは、マーベル映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)で絶妙なコンビワークを魅せたクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンだ。天然お茶目上司のヘムズワースに、ツッコミはトンプソン。『マイティ・ソー』のお笑い要素が恋しいマーベル・ファンも楽しめる。
ヘムズワースは「トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスが築いたオリジナル・シリーズが大好きです。このシリーズに飛び込めると聞いた時は興奮しましたし、同時にシリーズの良さを活かせるだろうかと不安もありました」と明かした上で、「前作までの旅を継続しながらブラッシュアップして、インターナショナルでエネルギッシュな作品にすることができたと思います」との自信を語っている。
個性豊かなエイリアンたち
『メン・イン・ブラック』シリーズといえば、見た目も中身も個性的なエイリアンの存在が欠かせない。彼らは人間の姿に化けて地球に潜んでいるという設定だ。その正体にはギョッとさせられるが、MIBのエージェントが当たり前のように接しているギャップが見どころだ。
このシリーズの素晴らしいポイントとして、ヘムズワースは「エイリアンを特別扱いしないこと。背景にいたり、時々寄ったりする」と語る。「普段は隠れているから、見えた時は強烈なほうがいい」と言うように、本作でも個性的なエイリアンが次々と登場するので楽しい。

そんなエイリアンたちの特殊メイクを前3作で手掛けていたのはリック・ベイカー。例えば、第1作目でバグに身体を食われた農夫のエドガーは、ドラマ「Marvel デアデビル」キングピン役でも知られるヴィンセント・ドノフリオに特殊メイクを施したものだった。ベイカーはこの仕事で、アカデミー賞最優秀メイクアップ賞にも輝いている。
- <
- 1
- 2