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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』マーティ役マイケル・J・フォックス、当時は「馬鹿だった」 パーキンソン病と向き合う現在

マイケルJフォックス Michael J. Fox
Photo by Teodor Bjerrang https://www.flickr.com/photos/teodorb/25979359076

赤いジャケットとジーパン(ジーンズ?デニム?ジーパンと言わせてくれ!)姿がトレードマーク。タイムトラベルSFの金字塔バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの主人公マーティ・マクフライは、どこか少年らしい眼差しが印象的で、映画ファンにとってはいつまでも最高にロックな憧れだ。

みずみずしく演じたマイケル・J・フォックスは、今では59歳(本記事時点)。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの後にパーキンソン病を患い、長年にわたり闘病を続けていることでも知られる。還暦を控えた2019年5月には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』当時の自身や、パーキンソン病と向き合う現在について、米New York Timesに打ち明けている。

マイケルは30歳の頃にパーキンソン病を発症し、1998年に事実を公表した。病について、「怖かった。パーキンソン病について、まったく分からなかったから」と吐露している。「“人生が完全に変わる”と言われて。そうなのか?いつ?と。今ではなんとかやっているけど、当時は、“大丈夫です”なんて状態ではありませんでした。“酷いことになるんだ”という気持ちで」。

パーキンソン病は高齢者に発症するケースが多いが、マイケルは若くからこの病に悩まされた。手足が震える、身体が硬直する、動作が遅くなる、身体のバランスが取れなくなるなどの症状があり、寝たきりを強いられることもある。今も完全な治療方法は確立されていない。

マイケルは2000年、主演を務めていたドラマ「スピン・シティ」を途中降板している。「その理由のひとつは、顔のこわばりがあったからです」とマイケルは打ち明けている。「身体の動きも制限された。ドラマの最後の方のシーズンを見ると、僕がデスクや壁にもたれかかっているのが分かるはずです」。

「スピン・シティ」最後の出演エピソードの米放送から約半年後、非営利団体「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」を設立。現在までに、同病における非営利団体としては最大となっている。

2004年の「Scrubs〜恋のお騒がせ病棟」や2006年の「ボストン・リーガル」でドラマ出演に復帰した。「撮影の時のアーク灯の匂いが、僕は演技をやるべきなんだと思い出させてくれました」。

カナダ出身のマイケルは、子供の頃からジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジに憧れ、将来は彼らのようなロックスターになりたかった。「それが、“有名人になる”ということだと思っていました」と話すマイケルは、20代前半で出演した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』当時の自分を「ロックスターではなく、馬鹿だった。分かっていなかった」と振り返っている。自分の才能を軽んじていたためという。パーキンソン病を患って、「ロックスターになるよりも、もっと大きなことがあると気付いたんです」

現在も病と向き合っている。2018年の8月には、仕事に出かけるため起床し、朝食を摂りにキッチンに向かった際に足を踏み外し、腕を骨折。19本のピンとプレートを伴う手術を受けた。また、旅行に出掛けたアフリカでは宿がテントであったために壁にもたれることができず、「トイレに行くだけで命がけだった」と語っている。

「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」の目的は、パーキンソン病の治療法を見つけることだ。設立から約20年が経ち、マイケルは「今も治療法を信じている」。

2002年に闘病記を綴った自伝『ラッキーマン』を上梓し、ベストセラーとなった。「この病気にならなければ、ぼくはこれほど深くて豊かな気持ちになれなかったはずだ。だから、ぼくは自分をラッキーマンだと思うのだ」というのが印象的なタイトルへ込めた想いだ。現在は、新書『No Time Like The Future(原題)』を準備中。59歳のマイケルが、病と健康のことや、歳を取ること、友人や家族、死生観についてを、思慮深くもユーモアを交えて綴る。2020年11月に本国版が発売予定だ。

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Source:New York Times

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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