『ミッドサマー』Q&A企画「アリ・アスターだけど質問ある?」監督の回答が到着 ─ 一番怖いものは「角のあたりで待ち受けているもの」

『ヘレディタリー/継承』(2018)の鬼才アリ・アスター監督による最新作『ミッドサマー』が話題沸騰中だ。暗闇とは真逆の明るい祝祭、天才的な発想と演出、緻密な脚本、そして極彩色の映像美。最後には究極の恐怖と未体験の解放感が待つ〈フェスティバル・スリラー〉である。日本でも大ヒットを記録し、観客の間では、全編に散りばめられた謎と伏線への考察なども盛んだ。
公式Twitterでは、アリ・アスター監督が日本のファンの質問に答えるQ&A企画「アリ・アスターだけど質問ある?」が開催された。このたび、監督がいよいよファンの問いかけに回答。どんな質問に、いったいどんな返事をくれたのか…?
この記事には、映画『ミッドサマー』の重大なネタバレが含まれています。必ず本編ご鑑賞後にご覧ください。
「アリ・アスターだけど質問ある?」監督の回答一覧
Q. 監督が一番怖いと思うことは何ですか?
A. 角のあたりで待ち受けているものはなんでも怖いです。
Q. 監督ご自身の失恋体験がもとになった作品とのことですが、元恋人は映画を観ましたか? 感想はありましたか?
A. 見当もつきません。
Q. ホルガを訪れて、殺されもせず、ホルガの一員にもならず、生還できるルートがあったら教えてください。
A. ホルガの人たちに見つからなければ可能性はあると思います。
Q. 神殿の両脇にある青いシートのようなものは何ですか?
A. あれは、作物を太陽の光に当てない農法に使っているのです。
Q. 『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンを起用した理由と、撮影時の思い出を聞かせてください。
A. 彼が世界で最もハンサムだからです! それに私は『ベニスに死す』の大ファンでもあります。彼は素晴らしい人物で、彼と一緒に働くことができて最高でした。
Q. ホルガの女性たちの「ハッ」という呼吸法が印象的でした。あれもどこかの伝承から参考にしているのでしょうか?それとも隠された意味があるのでしょうか。
A. あれはホルガの儀式の曲を担当していた合唱作曲家のジェシカ・ケニーが考えたものです。彼女は宗教音楽に特化した素晴らしいアーティストです。
Q. ダニーがメイクイーンを選ぶダンス大会で負けていたら、どうなっていたのでしょうか?
A. いい質問ですね。どうなったのでしょうね……。
Q. エンディングテーマの「The Sun Ain’t Gonna Shine(Anymore)」が、スマッシュヒットしたウォーカー・ブラザーズ版ではなくフランキー・ヴァリ版なのはどうしてですか?
A. 私はウォーカー・ブラザーズの大ファンで、スコット・ウォーカーが亡くなった時、とても悲しかったです。だけど、フランキー・ヴァリ版の方が映画のエンドクレジットにぴったりだと感じました。
Q. 来日した時に「これを映画にしたい」など、インスピレーションを受けた場所や出来事はありましたか?
A. 京都の宝泉院を訪れた時はとても感銘を受けました。他にも日本では沢山のインスピレーションを受けました。特に歌舞伎を見に行ったことは誇張なしに私の人生を変えたと思います。
なお『ミッドサマー』は、2020年3月13日(金)より、未公開シーンを含む上映時間2時間50分、「R18+」指定のディレクターズカット版も上映中。未公開シーンでは、主人公・ダニーと恋人・クリスチャンの関係性がより丁寧に描かれ、ホルガ村のさらなる儀式の様子も追加されている。鑑賞者の間では、「よりヒロインに感情移入できた」「レギュラー版の謎が解けた」との声も。さらなる爽快感、新たな発見をぜひとも堪能してほしい。
映画『ミッドサマー』『ミッドサマー ディレクターズカット版』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中。