Menu
(0)

Search

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』未公開シーンが判明 ― イーサンの任務、イルサとの関係、ブルーレイ収録の可能性は

ミッション・インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

映画『ミッション:インポッシブル』シリーズの最新作、ミッション:インポッシブル/フォールアウトにて脚本・監督を務めたクリストファー・マッカリーが、残念ながら映画本編から削除されたシーンについて明かした。ストーリーの都合上大幅にカットされた場面の内容や、ブルーレイに未公開シーンが収録される可能性など、気になる話題がたくさん…!

注意

この記事には、映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のネタバレが含まれています。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
 ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

ジョン・ラークとしてのミッション、大幅に削除

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、前作『ローグ・ネイション』(2015)に続き、脚本の執筆と撮影が同時に行われるという驚きのスタイルで制作されている。クランクインの時点では脚本が33ページしかなく、撮影しながらストーリーは随時決定、調整されていったのだ。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントは、窮地を切り抜ける術について「これから考える!」などと口にするが、これは監督自身の心の声でもあったわけである。

クリストファー監督いわく、まだ脚本上決まっていない出来事に登場人物が反応を示す場面を撮る際、俳優から「どんな反応にしましょう?」と問われることがあったという。しばしば監督は、「わからないですけど…あなたの反応のしかたによって、反応するものがどんなものになるか決まるんで」というハチャメチャな回答をしていたそうだ。

The Hollywood Reporterのインタビューでは、こうした撮影スタイルゆえに生まれた大きな未公開シーンの存在が明らかになった。劇中、イーサンはジョン・ラークという悪人になりすましてソロモン・レーンを脱獄させるミッションに従事するが、クリストファー監督によれば、この“イーサンがジョン・ラークとして悪事に手を染める”というくだりは大きく時間を割いて描かれる予定だったという。

「トイレのシーンで、イーサンはマスクなしでジョン・ラークのふりをしなければならなくなります。これを映画全体のプロットにするつもりだったんですよね。イーサンは悪人のふりをする、でも見た目は彼自身のまま。自分は悪党だと周りに信じてもらわなきゃいけないので、イーサンは目的のために、もっとダークで恐ろしいことをしなければならなくなるんです。最初の任務がレーンの脱獄で、最終的にイーサンは非常に暗い道を進むことになるはずだったんですよ。」

制作中、このアイデアをトムは快く受け入れたばかりか、なんと監督が執筆した脚本を、より恐ろしい内容へと自ら書き直していたとのこと。驚いた監督が「本当にここまでやりたいの?」と尋ねると、トムは「やるならとことんやろう」と答えたそう。本編にはイーサンが警官を殺害する場面がイメージとして挿入されるが、もしかするとあの場面は、本当に警官を殺害するシーンとして撮られたものだったのかもしれない。

 ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
しかし結果的に、“イーサンが悪事に手を染める”という展開は大幅にカットされることになった。その理由について、クリストファー監督はこう語っている。

「このアイデアにこだわっている時、映画が先へ進んでいかないことに気づいたんです。アイデアを大切にするほど知性的な内容になって、ほかのキャラクターが犠牲になって、『ミッション:インポッシブル』でやるべきことをやる前に映画がどんどん長くなっていった。だから諦めたんです。そうしたらすぐにイングランドの場面がまとまりましたね。」

ちなみに監督は、具体的にどんな内容が検討されていたのかを明かしていない。前作『ローグ・ネイション』で実現しなかった内容の多くが本作に盛り込まれたことから、今回見送られた内容も今後の作品で復活する可能性があるというのだ。たとえばソロモン・レーンがイーサンに言う「君の任務は――もし引き受けるならだが――、今までに引き受けなかったことがあったか?」という言葉も、前作からやむなく削除したセリフを甦らせたものだという。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly