【特集】天駆ける極彩色の翼!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』スターロードの愛機ミラノ号のひみつ

記憶に残る冒険活劇には、作品を象徴するような「主人公の乗り物」がよく登場します。
『スターウォーズ』のミレニアムファルコンや『スタートレック』のエンタープライズ号は言わずもがな、『ブレードランナー』のスピナー、『BTTF』のデロリアン、『エイリアン』のノストロモ号、『ナウシカ』のメーヴェ等々。逆算的な説になりますが、魅力的な乗り物の存在はこういったジャンルの映画が成功するために欠かせない要素なのではないでしょうか。
前作に引き続き二作目の大成功も確実となった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、21世紀映画史に確実に刻まれるであろうこのシリーズに登場する宇宙船ミラノ号も、そういった類の乗り物と言えます。
というわけで今回は、スターロードことピーター・クィル、そしてガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの愛機ミラノ号の特集です。
ミラノ号をデザインしたのは誰?
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の宇宙船デザインについては、幻に終わったホドルフスキーの『DUNE』や『エイリアン』のコンセプトデザインで知られるクリス・フォスが参画したことで知られています。
クリス・フォスという名前が巨大すぎること、日本国内においては公式アートブック等が出版されていないことなどの事情から、ネットではミラノ号をはじめ劇中に登場する宇宙船のほとんどをクリス・フォスがデザインしたという情報を見かけます。しかし、この映画製作に際してガン監督がクリス・フォスのアートワーク、特に色彩に多大な感銘を受けたこと、そしてクリス・フォス本人が招へいされて、宇宙船デザインのいくつかを助けたことは間違いありませんが、ミラノ号のコンセプトデザインそのものは、クリス・フォスの手によるものではありません。
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— Atomhawk Design (@atomhawk) 2017年4月7日
スーパーカーのような流線型のフォルム、青とオレンジのド派手なカラーリング、日本のロボットアニメを彷彿とさせるような可変ウイング、まるで10歳くらいの少年の夢をそのまま具現化したような宇宙船ミラノ号。この宇宙船をデザインしたのは、「Atomhawk Design Ltd.(アトムホーク デザイン)」というイギリスのデザイン会社です。
2009年にカムロン・アシュティアーニが設立したこのスタジオはこれまでに映画を始め、『デッドアイランド』『モータルコンバット』や『KILLZONE』などの有名コンシューマーゲームのコンセプトデザインも手掛けています。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』のコンセプトデザインはアトムホークにとって『マイティ・ソー:ダークワールド(2013)』に続いて二作目のMarvel Studioから依頼されたプロジェクトでした。
- 挑発的で、過剰で、確信犯的な色彩
- 未来的で、なおかつ懐かしいデザイン
ジェームズ・ガン監督のヴィジョンを受けてアトムホークのデザインチームは、1950年代から60年代にかけて制作された『禁断の惑星(1956)』『ミクロの決死圏(1966)』『バーバレラ(1962)』などのパルプSF映画を調査することからデザイン作業をスタートします。