DC『マン・オブ・スティール』、『ダークナイト ライジング』脚本執筆が行き詰まったおかげで誕生していた

DC映画ユニバースの第1作、スーパーマン映画『マン・オブ・スティール』(2013)は、クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト ライジング』(2012)の執筆が行き詰まったことから生まれた……。脚本家のデヴィッド・S・ゴイヤーが、米The Hollywood Reporterにて語った。
『マン・オブ・スティール』はノーラン&ゴイヤーが原案を手がけ、ノーランは製作、ゴイヤーは脚本を兼任したDC映画の重要作のひとつ。その企画の発端は、2008年、『ダークナイト』(2008)を完成させたノーランとゴイヤーが、次回作の展開に行き詰まったことだったのである。
「クリス(ノーラン)と一緒に『ダークナイト・ライジング』について考えていた時、映画の中盤で、いくつかの課題にぶち当たったんです。ブルース(・ウェイン)はどうやってベインを倒すのか、どうやって奈落から脱出するのか、とか。二人して行き詰まってしまったので、クリスが一週間休もうと言ったんです。いったん筆を置こうと。」
脚本家の仕事として、ゴイヤーは「壁にぶつかった時は、いったん(作品から)離れるのがベストってこともある」と明かした。「たとえば、ぜんぜん違うことをしてみたりとか、潜在意識が助けてくれるのを祈ったりとかするわけです」と言うように、まさにこの時、ゴイヤーが試してみたのが“スーパーマン”だったのである。
「その週、アクション・コミックス(DCの漫画雑誌)の最初の数年ぶんを読み返して、スーパーマンの映画について2ページほど書いたんです。そのあと(『ダークナイト・ライジング』の)作業に戻った時、クリスが“アイデアはある?”と聞くんで、“まったく関係ないスーパーマンのアイデアがある”と。『マン・オブ・スティール』はそうやって始まったんですよ。」
2010年、この企画が『マン・オブ・スティール』として具現化される以前に、ノーランは当時を振り返って「(ゴイヤーのアイデアは)素晴らしかった」と語っている。「現代的な文脈でスーパーマンを描けるんだと思えたのは初めてで、興奮しましたね。ただ、これを撮るのは僕じゃないなと思いました」。のちに起用されたのが、DC映画のキーパーソンとなるザック・スナイダー。DC映画は水面下で繋がり、そしてノーランとザックの長年にわたる交流もここから始まったのである。
Source: The Hollywood Reporter, SuperHeroHype