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『オリエント急行殺人事件』超豪華キャスト、実現のカギは名優ジュディ・デンチ ─ 「最高級の役者を求めた」

オリエント急行殺人事件
©2017Twentieth Century Fox Film Corporation

アガサ・クリスティーによる不朽の傑作ミステリーを現代に甦らせたオリエント急行殺人事件(2017)には、世界のそうそうたるスター俳優たちが結集した。名探偵ポアロ役を演じ、監督を務めるケネス・ブラナーをはじめ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジョシュ・ギャッド……。本作の公開後、知名度を急上昇させた出演者もいる。

では、このオールスターキャストはいかにして集まったのか? 英indieLONDONでは、そのカギを握ったのが、ドラゴミロフ公爵夫人役のジュディ・デンチだったことがブラナーによって明かされている。なんと、最初に出演が決まったうちの一人がデンチだったのだ。

もともと本作が企画されていた2015年、ブラナーとデンチは舞台『冬物語』(ウィリアム・シェイクスピア)で共演中だった。公演期間の途中、『オリエント急行殺人事件』への出演を打診したブラナーに、デンチは脚本を読むことなく、ストーリーも知らないまま、それどころか「お願いの言葉を言い終わる前に」出演を快諾したという。

ブラナーはデンチを「人々から崇拝される存在であり、演技や遊び心で人を惹きつける」人物だと絶賛。シリアスとコメディをシーンごとに演じ分ける技術を称えながら、彼女の存在がキャスティングに影響を与えたことを明かした。「ジュディ・デンチがミシェル・ファイファーに繋がり、ミシェル・ファイファーがジョニー・デップやデイジー・リドリーにつながった」というのである。

ジュディ・デンチ
Photo by Caroline Bonarde Ucci https://www.flickr.com/photos/caroline_bonarde/387962685/in/set-72157603164968016/

“この列車には、名優たちが必要だった”。このキャッチフレーズは、ブラナーの思いを代弁しているものだ。本作について、ブラナーは「見方によりますが、主役が15人、容疑者が12~13人いる映画」だと語りつつ、映画で全員の人物像を掘り下げるには、そもそも時間的な限界があったことを認めている。「それぞれの印象を残すには、一人一人を力強く存在感のある人物にしなければいけません。そこで最高級の役者を探しました」

ここでいう「最高級の役者」とは、ブラナーいわく、「ポアロと対面する推理シーンで輝くことができ、大勢が揃うシーンでも競い合うことなく存在感を発揮し、うまく全体の一部になれる」演じ手のこと。それから──ミステリーという性質上、もちろんネタバレを避けながら記せば──「死」や「殺人」というものに真摯に向き合えることも重要だった。豪華絢爛な列車、車窓から見える美しい風景のもとに登場する、アガサ・クリスティーの登場人物に人間としての厚みを与えられる俳優でなければならなかったのである。

ブラナーは監督として、それぞれのキャラクターをより印象深く描けるよう、出演者のそれぞれと人物像について話し合ったそう。もっとも、撮影現場でば即興性も大切にしていたことも明かしている。「セットではちょっとだけリハーサルをして、最初の興奮と、1テイク目のエネルギーを捉えられるように努めていました」。

Source: indieLONDON

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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