『僕のヒーローアカデミア』ハリウッド実写映画版、原作者・堀越耕平が深く関与 ─ 「すべてにコメントし、賛否を示してくれている」

Netflixとレジェンダリーが手がける実写映画版『僕のヒーローアカデミア』に、原作者の堀越耕平が密に関与していることがわかった。脚本家のジェイソン・フックスが米Entertainment Weeklyのインタビューで明らかにした。
『僕のヒーローアカデミア』は世界の約8割が“個性”(超常能力)をもつ超人社会を舞台に、“無個性”だったデクこと緑谷出久が、憧れのヒーロー・オールマイトの下で「最高のヒーロー」を目指す物語。2014年~2024年まで週刊少年ジャンプで連載され、単行本(全42巻)は世界累計発行部数1億部を突破。アニメ版は最終章「FINAL SEASON」が現在放送中で、これまでに劇場版も4作制作されている。
実写版の企画はまだ初期段階にあるが、フックスによると堀越氏はすでに「深く関与している」とのこと。これが、実写化における最大の強みになっているようだ。
「トリートメント(脚本執筆前の詳細なあらすじ)、アウトライン、シーンなどのすべてに対して(堀越)耕平がコメントし、賛否の意見を示してくれています。そのおかげで、自分のようなファンが納得できるものを届けられることを確信できています。」
フックスは「原作の本質に沿った作品にしたい」と語り、原作のトーンやキャラクターの精神を捉えることを重視しているという。「“原作や正史を尊重している”とファンが実感できると同時に、原作漫画を読んだことがなく、アニメ映画版も見たことがない人にとっての入り口にもしたい」と述べ、既存ファンと新たな視聴者の双方に向けたアプローチを意識しているようだ。
キャラクターについては、デクは「みんなが特別な力を持つ世界で、たった20%の“無個性”の若者」であり、「彼にはすぐに共感できる」とコメント。「他のキャラクターたちにもすぐに感情移入できる。キャラクターへの忠実さが、全体を形づくります」と語った。
ハリウッドでアニメ・漫画の実写化は鬼門とされるが、成功例としてNetflixの実写ドラマ「ONE PIECE」がある。製作のTomorrow Studiosいわく成功のカギは「原作キャラに極めて忠実であること」で、そのためには原作者の関与が欠かせない。「ONE PIECE」では尾田栄一郎が製作総指揮を務め、キャスティングや原作からの変更点などすべてをチェック。納得できなければ公開延期を約束させるほどの徹底ぶりを見せた。
ちなみに堀越氏は、2018年の海外インタビューで実写化について質問された際、次のように語っていた。「オールマイトの存在を“絶対的なもの”として描く必要があります。デクとオールマイトの関係性も重要です。デクは常にオールマイトを見上げています。その関係性がしっかり描けていれば、実写版の脚本家にとって、それが“核”になるべきだと思います」。
実写版『僕のヒーローアカデミア』の監督は、『GANTZ』『キングダム』シリーズや「今際の国のアリス」の佐藤信介。日本では東宝が配給する。
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Source: Entertainment Weekly, ComicBook.com





















