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Netflixドラマの打ち切り問題、 「成功した番組をキャンセルしたことは一度もない」とCEO

Netflix

Netflixドラマの早期打ち切り問題についての議論が続いている。2022年、Netflixは熱狂的なファンベースをもつドラマの数々を打ち切りにした。例えば、「ベビー・シッターズ・クラブ」(2020-2021)、「ウィンクス・サーガ: 宿命」(2021-2022)、「ミッドナイト・クラブ」、「シスター戦士」などがそうだ。2023年1月には「ダーク」(2017-2020)製作陣によるミステリードラマ「1899」がシーズン1で打ち切られ、未完結のまま幕を下ろすことになってしまった。

そんな中、米Bloombergの取材に応じたNetflixの新共同CEOテッド・サランドスは、番組の打ち切りに対するファンの反発についてコメント。これまでに「成功した番組をキャンセル(打ち切り)したことはない」と述べ、ファン人気の高い作品が打ち切りとなる要因として、予算の問題を挙げた。

成功した番組をキャンセルしたことは、一度もありません。これらの番組の多くは意図をもって制作されましたが、非常に多額の予算をかけて、非常に少ない視聴者に語りかけている作品です。重要なのは、低予算で小規模な視聴者に語りかけ、高予算で大規模な視聴者に語りかけること。それを上手くやれば、永遠に続けられるでしょう。」

Netflixの言う「成功」の定義は明らかでないが、インタビュー中にサランドスが「成功した番組」の例としたのは、韓国発のオリジナルドラマ「イカゲーム」(2021-)だ。同シリーズは配信開始から28日間で推定16億5,000万時間の視聴時間を記録し、Netflix史上最も人気のある番組となった。

口コミで世界的ヒットとなった同シリーズについて、サランドスは「『イカゲーム』を世界に売り込もうとする人間の介入なしで、(配信から)30時間以内に世界中が『イカゲーム』を観ていた」と説明。今後は同作に並ぶヒット作をどんどん生み出す方針のようだ。「我々は『イカゲーム』を異例なケースとするのではなく、基本的に毎週のように起きるケースにするため動き始めたところです」。

とはいえ、「イカゲーム」のような大ヒット作を生むことにだけ注力するわけではないはず。サランドスは「昔は500もあるケーブルチャンネルから(番組を)探し回らなければいけませんでしたが、今はNetflixで全部観られます」と、同社がいかに様々なジャンルの作品をそろえ、多様な視聴者に対応しているかを強調している。今後も利益が生まれる限り、「低予算で小規模な視聴者」に向けたニッチな作品は作り続けられるだろう。

ちなみに、サランドスの「成功した番組をキャンセルしたことはない」発言に対して、SNSでは「“視聴者が少ない”と言うなら、宣伝のため努力せず予算もかけず、どうやって多くの視聴者を獲得するつもりだったのか?」「少数派のことなんて気にかけてないんだね」などと、またもや反発が集まっている。Netflixドラマの打ち切りについては、今後も議論が止むことはなさそうだ。

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Source:Bloomberg

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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