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『ターミネーター:ニュー・フェイト』創造主ジェームズ・キャメロン、監督と何度も衝突していた ─ 「それが創作というものです」

ターミネーター:ニュー・フェイト
© 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

“creative difference(創作面の不一致)”という言葉がある。ハリウッドの大作映画などで、監督や脚本家といった創作のキーパーソンが企画を降板する際、その理由として挙げられるものだ。スタジオやプロデューサーなど、彼らが衝突する相手はケースによって異なるのである。

『ターミネーター』シリーズの最新作、『ターミネーター:ニュー・フェイト』を手がけたティム・ミラー監督は、この“creative difference”を製作途中に幾度となく味わっていたようだ。ミラー監督が衝突したのは、なんとシリーズの創造主であるジェームズ・キャメロンだったのである。


映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』ジャパンプレミア
ティム・ミラー監督 ©THE RIVER

名作『ターミネーター2』(1991)以来、製作・脚本としてシリーズへの復帰を果たしたキャメロンは、『デッドプール』(2016)の新鋭であるミラー監督との間で、意見の相違は「たくさんあった」と米Colliderに語っている。「今でも、創作のバトルで飛び散った血を洗い流しているところ。これは炎で鍛造された映画なんです。でも、それが創作というものですから」

『ターミネーター:ニュー・フェイト』の撮影期間中、『アバター』続編のモーションキャプチャー作業にあたっていたキャメロンは、プロデューサーでありながら、本作の撮影現場を一度も訪れていない。ただしその代わり、キャメロンは脚本の執筆に初期段階から携わり、撮影が進む中でも遠方から脚本の改稿作業にあたった。「僕にとって、編集は執筆の延長線上にあるもの」だというキャメロンは本撮影後の編集作業にも深く関わったという。

今年(2019年)の頭に未完成版を観て、それから(編集は)随分変わりました。デヴィッド・エリソン(プロデューサー)と僕、ティムで、最高の映画を目指して力を合わせたんです。簡単なことではなかったですね。選んではいけない道がたくさんあったように思いますし。僕自身が編集者なので、注文は大きかったり、すごく細かかったりする。編集が固まるまでの2ヶ月半、そういう作業を続けました。」

ミラー監督からすれば、セットに一度も来なかったキャメロンが――いくらシリーズの創造主とはいえ――編集に次々と要求を繰り出してくるのは、決してやりやすいことではなかっただろう。もっとも、「セットは監督の領分。船に船長は一人しかいないと言いますが、セットや製作、本撮影は船のようなもの」と語るキャメロンは、『アリータ:バトル・エンジェル』(2018)の際もセットには一度だけ、ほんの数時間しか行っていないという。

「(『アリータ』は)ロバート・ロドリゲスの映画ですから。つまり、今回も同じことをしたわけで、それがプロデューサーとしての哲学なんです。僕は素材のひとつ、人材のひとりでありたい。頼れる人や見張り役にはなりたくないんです。監督には権限がなければいけません。これはティムの映画であって、デヴィッドと僕は、ティムの映画をできるかぎりベストなものにするためのパートナーとして働いたということですよ。」

もっとも、キャメロンは『アリータ』におけるロドリゲス監督との作業と、今回のミラー監督との作業は「ぜんぜん違いました」とも語っている。

「ロバートは(『アリータ』の)脚本や、何もかもを気に入ってくれたんです。“この映画を作りたいし、あなたが考えているように作りたい”とまで言っていましたから。むしろ、僕のほうが“いや、君の映画を作るんだよ”と言っていたんです。だけど、ティムとの作業は逆。ティムは自分の映画を作ろうとしていた。そこで、“いいね、だけど僕もこの世界について知っていることがあるから”と言うような感じでした。」

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は2019年11月8日(金)より全国公開中。

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Source: Collider

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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