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クリストファー・ノーラン、思わぬパロディ映画を愛好 ─ ドラマ化決定で激励の手紙を送る

クリストファー・ノーラン Christopher Nolan
© LFI/Avalon.red 写真:ゼータ イメージ

『ダークナイト』三部作や『ダンケルク』(2017)のクリストファー・ノーラン監督、思わぬアクション・コメディの熱狂的なファンだったようだ。ドラマ「冒険野郎マクガイバー」(1985-1992)のパロディ映画『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』(2010)である。

ノーランといえば、最先端の映像技術に頼らない撮影、複雑な時系列を緻密に操作した物語などの作風で知られる、実にストイックな監督だ。従って、本人も硬派でシリアスな作品を好む傾向にあると考えている人も多いのではないだろうか。ところが、そんな印象とは裏腹に、ノーランは『ダークナイト ライジング』(2012)でキャットウーマン役を演じたアン・ハサウェイに『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』を強く勧めていたのだという。その事実を知った監督のヨーマ・タコンヌは、米Vanity Fairのインタビューにて「ヤバイ、信じられない」と当時のことを振り返っている。

「妻と一緒に全米監督協会の食事会に参加した時に、“クリストファー・ノーランが来てるわよ。挨拶して来なさい”と言われたんですよ。そこで、彼のもとに行って、“私、名前をヨーマと申します。『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』という映画を監督させて頂いた者なんですけれども”と話しかけました。“いずれ続編をやりたいと思ってます。オープニングで「監督 クリストファー・ノーラン*」と名前を出して、映画の最後に本当の監督名を示すというアイデアがあるんですが、どのように思いますか”と伝えたところ、“妻に話してみるよ”と言ってくれたんですよ。」

ノーランからの熱い支持を得る『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』だが、公開当時は興行収入が予想を遥かに下回る結果となってしまった。ところが、時を重ねるにつれてカルト的人気作と化した本作は、2020年1月に、原点であるドラマシリーズとして帰ってくることが正式に決定。監督を続投するヨーマはノーランを台本の読み合わせに招待したものの、「残念ながら参加してもらうことは出来ませんでした」と、実現には至らなかったことを明かした。「代わりに最高のメールを送ってくれましたよ。素晴らしい内容で、読み合わせを始める前の最高の起爆剤となりましたね」。ヨーマは、激励の言葉を綴ったノーランからのメールの内容を一部紹介した。

「新たな冒険への第一歩を踏み出す瞬間に立ち会うことは出来ませんが、私の心はいつもあなたと共にあることを覚えておいてください。もしかしたら、既に感じているであろう責任感に、さらに重圧をかけてしまうかもしれませんが、私にはこのことを伝える義務があります。“世界があなたを待っています、世界があなたに注目しています”。」

『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』のあらすじは、元特殊隊員マクグルーバーが核兵器でアメリカ・ワシントンD.C.の滅亡を目論む宿敵ディーターを討伐するというもの。出演者には、マクグルーバー役にコメディアンのウィル・フォーテ、ディーター役に『トップガン』(1986)『ヒート』(1995)のヴァル・キルマーなどがいる。もしかしたら、ノーラン監督が何らかの形で『ほぼ冒険野郎 マクグルーバー』ドラマ版に参加する可能性も…あり得るか……?

Source: Vanity Fair , Collider

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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