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ノーラン、『オッペンハイマー』の劇場体験に自ら驚愕する ─ 「針が落ちる小さな音」の静寂広がる満員劇場

オッペンハイマー
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クリストファー・ノーラン監督が、最新作『オッペンハイマー』米国公開直後の劇場で味わった“静寂”を振り返った。

第二次世界大戦下で原子爆弾の開発・製造計画「マンハッタン計画」を主導した物理学者、ロバート・オッペンハイマーの半生を描いた本作で、ノーランは史上初の核実験となった「トリニティ実験」のシーンをCGなしで撮影することにこだわった。言わずもがな、この場面は全編のハイライトのひとつだ。

Empireでは、2023年7月21日の米国公開直後、ノーランが妻でプロデューサーのエマ・トーマスとともに映画館をお忍びで訪れたエピソードが語られている。

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「リンカーン・スクエアには巨大なIMAXスクリーンがあって、今でも70ミリフィルムが上映できるんです。スクリーンが2つあって、ひとつが70mm。私たちはスクリーンを移動していて、ちょうどIMAXスクリーンに入ったとき、トリニティ実験が終わろうとしているところだったんです。劇場は超満員、満席でした。劇場の後方にいて、あの静寂の瞬間……針が落ちる音も聞こえそうなほどだった。本当に驚くべき経験でした、圧倒されました。」

ノーランは「針が落ちる音も聞こえそう(you could hear a pin drop)」だったと言っているが、これはすさまじい静寂を表すときの慣用句。映画ファンならば、IMAXのデモ映像における「針が落ちる小さな音も(英語版は“We can take you from a pin drop”)」というフレーズを思い出すところだが、まさにそれほどの静寂がひろがっていたのだろう。来たる日本公開でも、その静けさを体感できることを楽しみにしておこう。

『オッペンハイマー』での劇場体験について、ノーランは「観客の“驚きたい、新しいものや知らないものを見たい”という欲望は、つねに劇場用映画の最も強い動力源です。今年はそれが見られたのがうれしかった」と語る。いま、ノーランはこの作品にとても大きな手ごたえを感じているようだ。

映画『オッペンハイマー』は2024年日本公開予定。

Source: Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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