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『TENET テネット』クリストファー・ノーラン、再びインドでの映画製作を熱望 ─ 「世界最高の映画文化がある国」

TENET テネット
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『TENET テネット』(2019)のクリストファー・ノーラン監督が、再びインドでの撮影や現地俳優とのタッグに熱意を燃やしている。同作でノーランはインドの名優ディンプル・カパディアを起用し、ムンバイでの大規模なロケ撮影を敢行したばかりだ。

現地メディア・IANSの取材にて、ノーランは「インドでは素晴らしい経験ができたので、またインドに戻って来たいと強く思っていますし、もっとインドの俳優たちと仕事がしたい」語った。過去には『ダークナイト ライジング』(2012)の撮影をインド・ジョードプルで行ったノーランは、「(当時から)ずっと戻ってきたいと思っていた」とも話している。すなわち、『TENET テネット』のロケは彼の悲願でもあったのだ。

過去にノーランは、インドを「世界最高の映画文化がある国」と呼び、インド映画をより深く学びたいとの意志を明かしていた。いわく、現地の映画文化には「なぜ我々が映画を観るのかという極めて基本的な理由がある。それはある意味でハリウッド映画が失ってしまったものだと思う」。インド映画における撮影や音楽、音響などの要素は「感覚的なレベルで観客を魅了する」ものであり、自作の撮影を通じて、現地スタッフの映画への愛情にも心打たれたと話してもいるのだ。

「ムンバイのフィルムメーカーと仕事をして、ムンバイの光や音と出会ったことは大きな刺激を与えてくれました。またムンバイで撮影できるなら、という想像をすぐに始めたほどです。(『TENET テネット』は)世界中で撮影しましたが、気に入っているシーンや映像には、ムンバイで撮ったものもあります。素晴らしい経験でした。ムンバイという街には、確かに映画への愛情があるのです。」

『TENET テネット』を経て、今後のノーランはどのような作品を手がけるのだろうか。ノーラン自身は「今後の計画は立てていない」「次をどうするかは分からない」と述べているが、概ね2~3年のペースで新作を発表してきたことを踏まえれば、すでになんらかの構想を練っている可能性は十分にある。もっともノーランは、コロナ禍での対応を受けて、次回作では長年パートナー関係にあったワーナー・ブラザースに戻らない見込みとも報じられている。果たして、再びインドでの撮影は実現するか。

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Source: IANS(Business Standard, IANSlife.in, NDTV

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。