『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ラミ・マレック、ヴィランを演じる上で苦戦したこととは?

『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でヴィランのサフィン役を演じたラミ・マレックには、役作りにおいて苦戦したことがあったという。劇中では、寡黙かつ残虐な姿が印象的だったサフィンだが、ラミの挑戦はそうした“悪の側面”に向き合うことだったようだ。
2020年10月下旬、ラミは米GQとの取材の中で、サフィンの役作りについて語っていた。当時は全てが謎に包まれていたサフィンだが、作品を観た方には、その悪事を一概には否定できないような複雑な過去を抱えていた人間だったと理解したはずだ。そんなサフィンに包含される“悪”の正体を突き止めることが、役作りの最初のプロセスでラミが行ったことだった。
「邪悪さが何なのかを考えることから始めました。このキャラクターは特に、興味深い人間だと思いますよ。自分が決めたことを用意周到に実行するために、(他人への)“感情移入”を除外できる人だから。僕は、彼がどういう人間なのかを心理的な面から整理し始めました。」

確かにサフィンは『007』シリーズの中でも異質な存在だ。世界征服や一国の支配など、愚鈍な野望を抱いてきた何人ものヴィランとは違い、サフィンの目的は自分に悲劇をもたらした人間たちへの“復讐”のみ。そのため、歴代の悪党たちに共通して見られる支配欲や執着心は、比較的感じられなかった。
そうしたヴィランとしての特殊性も含め、ラミにとってサフィンが内に秘めた“悪”を理解するのは一筋縄ではいかなかったのだろう。ラミは「自分の悪を認めるための方法を探し続けているような彼の行動にはすくみ上がります」とサフィンについて語った上で、「(役に)入り込む上で、心理的に簡単ではないことでした」と、役作りの苦労を明かした。
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Source: GQ