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【ネタバレ】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』撮影地の1つ、ヴェスパーとの決別にふさわしかった理由

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
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この記事には、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のネタバレが含まれています。必ず本編を鑑賞後にお楽しみください。

matera マテーラ
イタリア・マテーラ|Photo by Samuele Wikipediano 1348|https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Matera_Luglio_2019.jpeg

『ワンダーウーマン』で登場したセミッシラは、ギリシャ神話の神ゼウスによって創造された女戦士の一族、アマゾネスの故郷という設定。この自然豊かなセミッシラを再現するために選ばれたのが、地中海の景色が見渡せる洞窟都市マテーラだった。

このマテーラは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で鍵となるシークエンスでも登場している。序盤、ジェームズ・ボンドとマドレーヌがバケーションで訪れた街だ。この地では、『カジノ・ロワイヤル』で登場したボンドの元恋人ヴェスパー・リンドの墓地があったり、悪の組織スペクターの刺客との激しい追跡劇が繰り広げられたりと、物語のきっかけを作る重要な場面が登場した。

同じ場所でも、『ワンダーウーマン』と『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では見え方が違うマテーラ。この場所が『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも選ばれたのには、キャリー・フクナガ監督の明確な意図があった。米Entertainment Weeklyの取材では、冒頭シーンの物語にマテーラがふさわしかった理由をフクナガ監督が明かしている。

「プロダクション・デザイナーを担当しているマーク・ティルデスリーが、映画をスタートさせるのに最高なロケーションだと言って提案してきたんです。マテーラの単色の風景は、まるで大きな1つの墓地のように感じられました。あの地には、ボンドが遺してきたものについてのメタファーがたくさんあるんです。だからこそ、ぴったりだと思ったんです。

マテーラでの一連のシークエンスでは、主にボンドとマドレーヌのロマンスが描かれた。一方で、胸のつかえとなっていたであろう亡きヴェスパーにボンドが本心を伝え、別れを告げる『カジノ・ロワイヤル』に始まったストーリーの決着でもあったのだ。

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思えば、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』公開前の2021年7月、主演のダニエルは『007 スペクター』(2015)で決意していた引退を取りやめて、続投を決めた理由を「『カジノ・ロワイヤル』に始まった何かを終わらせるため」と話していた。その意味でも、マテーラは物語に欠かせない重要な撮影地だったはずだ。

ちなみに、マテーラは1993年に世界遺産として登録されており、観光地としても人気のスポットだ。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で重要な役割を果たしたこともあり、これからは『007』シリーズファンにとっての聖地としても親しまれることになるだろう。

Source: Entertainment Weekly

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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