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『オーシャンズ8』マット・デイモンのカメオ出演、なぜカットされたのか ─ 監督が語る削除理由、公開前の物議

マット・デイモン
Photo by NASA/Bill Ingalls https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%27The_Martian%27_World_Premiere_(NHQ201509110004).jpg Remixed by THE RIVER

ジョージ・クルーニー主演の人気犯罪映画『オーシャンズ』シリーズを女性キャストで蘇らせた『オーシャンズ8』(2018)は、旧シリーズの第1作『オーシャンズ11』(2001)のリブートでありながら、物語の時系列は『オーシャンズ13』(2007)の後という特殊な作品だ。したがって本作には、シリーズのファンを喜ばせるカメオ出演も隠されている。

ところが本作には、登場シーンがカットされた大物スターがいる。旧シリーズでライナス・コールドウェルを演じたマット・デイモン、ソール・ブルームを演じたカール・ライナーだ。デイモンは「ちょっとしたカメオ」であること、ライナーは主演のサンドラ・ブロックと撮影をともにしたことを明かしていたのである。では、2人の出番はなぜ削除されてしまったのか?

脚本・監督のゲイリー・ロスは、本作の公開当時、米The Hollywood Reporterにてカットの理由を明かしている。監督の答えは実に端的だ。

(カメオ出演は)取捨選択ですから。どのようにストーリーにハマってくれるのか、どのように物語が展開するのか。今回は、これまでに作った映画よりも豊かな編集作業をすることができました。遊んでみたり、探ってみたり。ほかの映画では本撮影が終わった後に何かを撮ることはなかったんですが、これは強盗映画で、しかも群像劇ですし、まだやることがあって。いろんなことをしましたし、満足していますよ。」

実際のところ、カットされたのはデイモンとライナーだけではない。撮影に参加していたことが伝えられた元ワン・ダイレクションのゼイン・マリクら、そうそうたるメンバーも完成版に出番が残らなかったのだ。ロス監督は「編集やストーリーのために、我々に親切にしてくださった方々が映画に入りませんでした」と説明。「素材がたくさんあったので、整えるところも多かった。とにかくストーリーテリングが理由だったんです」。

もっとも、デイモンのカメオ出演については、また別の理由でカットされたのではないかともいわれている。2017年末、ハラスメントと性暴力が告発されたハーヴェイ・ワインスタインや、ハリウッドにおける#MeTooムーブメントに対するデイモンのコメントが激しい批判を呼び、女性たちの映画である本作から出番をカットすべきだという署名活動が実施されたのだ。結果的にデイモンの出演シーンは削除されたが、これが監督の説明通りの理由なのか、それとも批判や要望を受けてのものなのかは、もはや関係者にしかわからない。

Source: The Hollywood Reporter, Toronto Sun, ScreenRant

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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