スポーツは芸術!映像に見るオリンピックの捉え方 ~『NBCプロモーション映像』と『東京オリンピック』~

リオデジャネイロオリンピックも後半戦を迎えました。競泳、体操、柔道、シンクロ、卓球、バドミントンと連日の日本選手団の大活躍でリオの真裏にいる私たち一般の日本人も沸きに沸いている今日この頃です。そこで、今回はオリンピックと記録映画、CMについて考えてみたいと思います。

まずは、YouTube再生回数60万回越えのアメリカNBC放送のリオオリンピックPRCM。日本のメディアでも話題になっていました。人気歌手ケイティ・ペリーの新曲‘Rise’が起用されており、スローモーションやローアングルの手法と相まって、オリンピックという大舞台で試合に挑む選手の緊張感や躍動感あふれる作品になっています。注意して見ていくと、最後の方に体操の内村航平選手が登場してきます。こちらにも注目してみてください!ちなみに、ケイティ・ペリーは開会式でも‘Fireworks’を披露していました。

ここで、オリンピック記録映像の歴史を紐解いてみましょう。4年後の2020年はいよいよ東京でオリンピックです。東京は1964年にも開催されていますが、この記録映画は言わずと知れた「東京オリンピック」(1965年日本 監督:市川崑)。

今から遡ること51年前。こちらもスポーツの映像を記録する手段として今ではさほど珍しいものではないローアングルかつスローで撮影されており、プレー中の選手たちや観客の息遣い、歓喜の涙、悔し涙までもが聞こえてきそうな臨場感たっぷりな作品に仕上がっています。当時は「オリンピックを正しく伝えていない。」と物言いがつきました。あまりにも芸術的な作品に仕上がっているからというのがその理由です。
実際に作品を見てみると、物言いがついたとおり、記録映画の域を超えて芸術作品です。体操などの技の稚拙さは別にして、特に素晴らしいと思ったシーンをいくつか挙げれば、選手全体の動きより顔から下、剣先もしくは足さばきだけを追うことでスピード感をより体感させるフェンシング、砲丸の投げ降ろされた先までを撮影することで重量感あふれるシーンになっている砲丸投げ、逆に射撃は的を射る目つき顔つき、引き金を引く手を中心に描くことで、射撃という競技の特殊性を物語っています。

「記録映画ではない」とする意見が多数上がった当作品ですが、単に競技の結果を伝えるだけでは味気のないものになってしまいます。選手たちの肉体美もさることながら、終戦直後の廃墟と化した東京からわずか20年足らずでオリンピックが開催できるまでに復興を遂げたことを象徴するような作品としては立派な記録映画に仕上がっています。1964年の東京オリンピックを知っている世代は60代以降の方たちですが、若年層が見てもオリンピックあるいは日本復興の歩みを楽しめる作品です。観戦の合間にぜひご覧ください!

さて、2020年の東京オリンピック記録映画はどのような作品になるのでしょうか?今からオリンピックと映画が待ちどおしい気持ちになります。

「東京オリンピック」
監督:市川崑
公開年:1965年
制作国:日本
時間:2時間49分
評価:★★★★★ 5つ

About the author

映画とEDMが三度の飯より?好き。 どんなジャンルでも積極的に観ますが、ミュージカル、コメディー、恋愛もの、SFは特にお気に入りです。 休みの日はできるだけ多くの良い作品に触れるよう心がけています。 ブログはこちら。「映画ライターのシネマ大放言」

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