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ノーランが『オッペンハイマー』ブルーレイ版をオススメ ─ 「邪悪な配信サービスに映画を盗まれない」

クリストファー・ノーラン
HellaCinema https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DunkirkFilmGearPatrolLeadFull.jpg

クリストファー・ノーラン監督による最新作『オッペンハイマー(原題:Oppenheimer)』のブルーレイ&DVDが、アメリカではいよいよ2023年11月21日に発売される。いまだ日本公開情報が発表されていない本作だが、海外盤には3時間を超える特典映像を収録。11月13日(現地時間)には、メイキング映像の上映イベントが行なわれ、ノーラン自身が配信ではなくソフト版の入手を(ジョークを交えつつ)強く薦めた。

米Varietyによると、ノーランはイベントにて「『オッペンハイマー』は私たちにとって非常に興奮する道のりでした」と回想。劇場公開だけでなく、ブルーレイ&DVDの制作にもこだわりを持って臨んだことを認めている。

「(ブルーレイ&DVDのために)数ヶ月かけて懸命に作業を続けてきました。私は劇場を愛することで知られていますし、実際に人生を捧げていますが、実は、映画をご自宅に届ける方法も同じくらい大切に考えているのです。『ダークナイト』(2008)は、我々がブルーレイのために特別な調整を施した最初の作品でした。当時、ブルーレイはまだ新しい形式だったからです。」

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『オッペンハイマー』でも、ノーランは劇場公開時にIMAX向けに仕上げた映像と音響を、今度はデジタルのソフト仕様に変換すべく心を砕いたようだ。「ブルーレイと4K UHDには大きな情熱を傾けました。みなさんが購入し、自宅の棚に置けば、もう邪悪なストリーミング・サービスに映画を盗まれることはありません(笑)」。冗談ながらも本心が見え隠れする言葉に、会場では大きな笑い声が上がっている。

また、ノーランは特典映像にもこだわりがある模様。『オッペンハイマー』では70分以上に及ぶメイキング映像『The Story Of Our Time: The Making Of “Oppenheimer”(原題)』のほか、ノーランが参加したQ&Aディスカッションの模様、さらに理論物理学者ロバート・オッペンハイマー自身と核兵器に迫るドキュメンタリーなども収録される。

ノーランは、「ひとりの映画ファンとして、好きな作り手たちが特典映像であらゆる秘密を明かしてくれるのは非常に嬉しく、また興味深いもの。だから、私はこのフォーマットの情熱的なファンなのです。私は秘密を明かしませんが(笑)」と再びジョークを交えながら話した。「実際の映画製作や、必ずしも皆さんに知られていない各部門の素晴らしい仕事をお見せできることはうれしいものです」。

『オッペンハイマー』が日本公開される日は、そしてソフト版のリリースが始まるのはいつになることか。ノーランがブルーレイに注力し、「邪悪なストリーミング・サービスに映画を盗まれることはありません」という辛口の冗談を口にしているあたり、初鑑賞が配信サービスになることは避けたいところだが……。

Source: Variety(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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