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クリストファー・ノーラン、『オッペンハイマー』で本物の科学者をエキストラに起用 ─ 原爆開発の経緯や実験を描く

クリストファー・ノーラン
HellaCinema https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DunkirkFilmGearPatrolLeadFull.jpg

映画監督クリストファー・ノーランの“本物主義”、ますます極まる。最新作『オッペンハイマー(原題)』では、なんと本物の科学者がエキストラとして大勢起用されていることがわかった。米Entertainment Weeklyにてノーラン自身が語っている。

“原爆の父”として知られる物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描く本作は、主演のキリアン・マーフィーをはじめ、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニー・Jr.、マット・デイモン、フローレンス・ピューのほか、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー、ゲイリー・オールドマン、ジョシュ・ハートネット、デイン・デハーンら豪華キャストの出演で話題だ。

撮影を振り返り、キリアンは「毎日素晴らしい俳優がやってきて、全員が信じられないほどきちんと準備していた」と一同を絶賛。「役の大きさや重要度にかかわらず、一人ひとりが非常に深い知識をそなえていた」と語った。これに対し、ノーランは「そのことはエキストラに対しても言えると思う」と補足している。

(原爆開発の拠点となった)ロスアラモスでは、本物の科学者たちがエキストラとしてたくさん参加してくれました。エキストラには(状況に対する)反応や即興の演技を求めていたので、そういう芝居や、非常に専門的な会話を撮ることができたんです。話を聞くのは本当に楽しかったですね。

セットに大勢のエキストラがいる時、彼らは多かれ少なかれランチのことを考えているもの。ただし今回の場合、彼らは核兵器の地政学的な影響について考えているし、その知識も深い。彼らの存在があったことで、“本気で取り組まなければ、歴史に忠実でなければ”と毎日思うことができたし、自分たちの取り組みについてきちんと理解できたと思います。」

これまで数々の映画で“本物主義”を貫いてきたノーランは、あらゆるものをCGではなく実写で撮影。『TENET テネット』(2020)では、大型旅客機「ボーイング747」が爆発炎上するシーンで本物の機体を使用していた。本作『オッペンハイマー』では、史上初の核実験となった「トリニティ実験」をCGなしで再現したこともわかっている。そのこだわりは、もはやエキストラの一人ひとりにも反映されるようになったのだ。

映画『オッペンハイマー(原題:Oppenheimer)』は2023年7月21日に米国公開予定。日本公開情報が待たれる。

Source: Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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