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米アカデミー賞、「人気映画部門」設立を保留へ ― 2019年の開始を見送る方針を発表

アカデミー賞
Photo by Prayitno https://www.flickr.com/photos/prayitnophotography/6883792695/

米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(The Academy of Motion Picture Arts and Sciences)は、高い成績を収めた人気映画を対象とする新部門の設立を保留することを発表した

2018年8月9日、映画芸術科学アカデミーは、のちに人々の間で「人気映画部門」と呼ばれる新部門の設立を告知。新部門に関する詳細は明かされていなかったが、ハリウッドの関係者をはじめ、映画ファンやジャーナリストの間ではすぐさま賛否が分かれ、激しい議論が生まれていた。

このたび映画芸術科学アカデミーは、2019年2月に開催される第91回アカデミー賞授賞式では「人気映画部門」を設立しない方針を明言。「幅広い映画を祝福することに貢献することは変わらない」としながら、「1年のうち9ヶ月が経ってから新たな賞を設立することは、すでに発表された映画を挑発することになると認識しました」との声明を発表している。
アカデミーの最高経営責任者(CEO)を務めるドーン・ハドソン氏によれば、「人気映画部門」の発表に際してさまざまな反応があったことを受けて、今後、新部門の設立に向けてさらなる議論を深めていくという。

「人気映画部門」については、設立の発表後、「何をもって“人気映画”とするのか」、「作品賞との同時ノミネートは認められないのか」、「社会現象となり、高い評価を得ている『ブラックパンサー』(2018)に賞を与えたくないのでは」など批判的な意見が噴出していた。

なお第91回アカデミー賞授賞式については、先日の発表通り、テレビ中継の放送時間が3時間に収められることになる。このため全24部門中6~8部門の発表はCM中に行われ、その模様は編集され、実際の授賞からやや遅れる形で放送される。なお、CM中に授賞が行われる部門は毎年変更されるとのことだ。

第91回アカデミー賞授賞式は2019年2月24日(米国時間)開催

Source: Deadline
Eyecatch Image: Photo by Prayitno

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。