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【解説】2021年(第93回)アカデミー賞ノミネート、歴史的快挙まとめ ─ スティーヴン・ユアンやクロエ・ジャオ、配信作品など

第93回 2021年 アカデミー賞 オスカー

2021年3月15日(日本時間)、第93回アカデミー賞ノミネート作品が発表となった

コロナ禍の影響で劇場公開作品が軒並み延期、または配信送りとなるなど、ハリウッドだけでなく世界中の映画業界がかつてない一年を迎えた。そんな波乱の映画界の一年を統括する、このたびのアカデミー賞では、受賞発表を前に、すでに様々な歴史的な出来事が起きている。

それは、例年以上に女性や有色人種の俳優・製作陣が入選したことや、NetflixApple・Amazonによる配信作品が多数入選したことだ。そんなさまざまな形で多様性にあふれた今年のアカデミー賞。本記事では、このたびのアカデミー賞にて歴史が覆された出来事をいくつか簡単に紹介したい。

クロエ・ジャオ&エメラルド・フェネル、ふたりの女性が監督賞候補入り

ノマドランド
(C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved.

このたびのアカデミー賞では、例年に比べて女性の製作陣が多かったことでも話題となっている。そんな中、監督賞では歴史的快挙まで成し遂げられていた。『ノマドランド』(2021年3月26日公開)のクロエ・ジャオと、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2021年夏公開)のエメラルド・フェネルが候補に選ばれたのである。監督賞に女性監督がふたり以上入選するのは同賞史上初めてのことだ。果たして、このふたりのどちらかから受賞となるか。

スティーヴン・ユアン、アジアン・アメリカンとして主演男優賞で初候補に

ミナリ
Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

サンダンスやゴールデングローブ賞をはじめ、世界中の映画賞を総なめにしている注目作『ミナリ』(2021年3月19日公開)。アメリカン・ドリームを掴むため移民した韓国人一家を描く本作で、その家族の大黒柱である父親を演じたスティーヴン・ユアンは、アジアン・アメリカンとしてはじめて主演俳優部門に入選した。ゴールデングローブ賞では惜しくも候補から外れていたが、このたびアカデミー賞という映画賞の頂点と言っても過言ではない舞台ではじめての入選を果たし、初の受賞となるかもしれない。

韓国人女優ユン・ヨジョン、助演女優賞で初ノミネート

ミナリ
©2020 A24 DISTRIBUTION LCC.ALL Right Reserved

『ミナリ』からアカデミー賞における歴史的快挙を成し遂げたのは、スティーヴン・ユアンだけのことではない。同作で、移民した韓国一家と一緒に住むことになる祖母役を演じたユン・ヨジョンもまたそのひとりで、韓国出身の女優としてはじめて助演女優賞にノミネートされた。2020年には、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門で受賞を果たしたものの、ソン・ガンホなど期待されていた韓国俳優の演技部門での入選は残念ながらなかった。そんな年の翌年に、ユン・ヨジョンが韓国人女優として、リベンジを果たしたのである。

リズ・アーメッド、ムスリム俳優として主演男優賞で初入選

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~
Courtesy of Amazon Studios

ひとりのドラマーが聴覚を失い奮闘する姿を描いた一作、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』(2020)。そんな難病を抱えたドラマーにふんしたのは、リズ・アーメッドだ。「ザ・ナイト・オブ」(2016)『ヴェノム』(2018)など、数多くの話題作に出演している俳優で、このたびムスリム系として初の主演男優賞候補となった。ゴールデングローブ賞では入選するも、受賞とはならなかった。今回こそ王冠に輝くか。

このたびのノミネート発表に際し、米Deadlineにて、アーメッドは感謝の言葉を述べながら「全ての人が自分自身の居場所を見つけ、どこかに所属していると実感できるように、文化は拡大していく必要がある」と語っている。「これらの変化が起きることは、政治的あるいは社会的に良いということだけではありません。それはストーリーやストーリーテリングにおける本来の目的を取り戻し、私たち全員を受け入れることに繋がるのです」。

Netflix『Mank/マンク』が最多入選

Netflix映画『Mank/マンク』独占配信中  

コロナ禍による影響で米国での映画館の閉鎖が相次いたこともあり、Netflix・Amazon・Appleによる配信作品が例年以上に多い。Netflixによる『Mank/マンク』(2020)は作品賞をはじめ、10部門と最多。これに続き、Netflixによる『シカゴ7裁判』(2020)、Amazonによる『サウンド・オブ・メタル』が6部門に入選しているのだ。そのほかには、アニメーション作品賞に、Appleによる『ウルフウォーカー』(2020)がノミネートされている。人種的な側面だけではなく、劇場・配信問わずという意味でも、今までで最も多様性に富んだアカデミー賞と言えるだろう。

第93回アカデミー賞授賞式は、2021年4月26日(日本時間)開催予定。

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THE RIVER編集部
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