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【レポート】『ワンハリ』ディカプリオ&タランティーノ来日会見 ─ タラ、邦画『栄光への5000キロ』DVD持っていたら連絡ください

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
© THE RIVER

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが奇跡の共演を果たした『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、ついに2019年8月30日より日本公開を迎える。この作品を届けるべく、監督のクエンティン・タランティーノ、主演のレオナルド・ディカプリオ、そしてプロデューサーのシャノン・マッキントッシュが来日。都内で記者会見を開催した。(記事最後に写真ギャラリーあり。)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
© THE RIVER

タランティーノ監督といえば、妻のダニエラ・ピックが第一子を身ごもったニュースが話題になったばかり。まず始めに司会者から祝いの言葉をかけられたタランティーノは、「そうなんです!僕は妊娠してないんですけど、妻がね!」と笑う。「そのうち、家の中が小さな”タラちゃん”でいっぱいになると思います。」


リック・ダルトン役で主演のレオナルド・ディカプリオは、ゆっくりと堂々とした口調で「東京に戻ってこられて嬉しいです」と挨拶。「『ギルバード・グレイブ』(1993)で初めて日本を訪れて以来、いつも温かい歓迎に感謝しています。」

プロデューサーのシャノン・マッキントッシュは初来日だというが、「ここ2日間、東京の様々な場所を探索しましたが、とても美しい場所で、もっと色々なところを見てみたいです」と挨拶した。

レオナルド・ディカプリオとタランティーノ揃っての来日は初とあって、会場には日本中から報道陣が詰めかけた。ハリウッドの登壇陣は、満員の会場から繰り出される様々な質問に答えた。

リック・ダルトンという架空と1969年の史実

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
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── シャロン・テート殺人事件という史実に、架空のキャラクターであるリック・ダルトンとクリフ・ブースを加えるというアイデアはどこから?

タランティーノ:いい質問ですね。まず、ハリウッドのカウンターカルチャーが2通りの意味で、つまり、業界として、そして街として変革を迎えていた時代を描きたいというものがありました。シャロン・テート殺人事件へと繋がった歴史的観点が興味深いと思ったんです。70年代に、E.L.ドグトロウの『ラグタイム』という小説があって、僕も13歳か14歳の頃に読んだのを覚えています。当時の史実と架空のキャラクターを織り交ぜる作品でした。これが面白いと思って、僕が考えた架空のキャラクターと当時ハリウッドに生きていた人物を会わせる話はどうかと考えるようになりました。

── タランティーノ監督とは『ジャンゴ 繋がれざる者』以来ですが、この役のオファーを受けた時の気持ちは?

ディカプリオ:監督とは、リックの魂の部分をどのように描きあげるかを話し合いました。映画で描かれるのは数日間の出来事です。そこでは様々な変革が起こっていて、リックは私的な部分だけでなく、役者として色々な意味で時代に追いつこうとしているんです。1950年代のTV番組のカウボーイ役出身のリックは、あまり好かれないアンチヒーローを演じる立場に甘んじています。文化も世界も、役者業界もが変わっていく中で、リックは自分自身を変化させようとしているんです。その中で、コインの表と裏の関係のようなリックとクリフが、どのように変わっていくのか。

リックは若い女の子に出会うことで、自分の中に秘めた才能を押し出していきます。監督は、僕たちが演じるキャラクターのバックストーリーを緻密に作っていて、全て伝えてくれました。だから撮影時に僕たちはもう歴史を共有していて、役作りにおいても非常に助かりました。

── レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットをキャスティングした理由は?

タランティーノ:2人はキャラクターにピッタリでしたね。なぜ2人を選んだのかという質問はよくされるんですが、むしろ彼らが僕を選んでくれたんですよ(笑)。2人とも、(出演するかは)選べたわけで。だから2人が出てくれて僕はラッキーなんです。彼らの元には(出演依頼のかかった映画の)脚本が山積みになっていることでしょうけど、幸いなことに僕の脚本が読んでもらえて、出演を決めてくれたということです。それに、ここ10年どころか当代最高のクルーにも恵まれました。とにかく、彼らが快諾してくれて、とても恵まれていたと思います。

それから今回は、役者とスタントダブルという間柄ですから、良い役者や有名な役者なら誰でも良かったというわけではないんです。同じ衣装を着た時に、身体的にも似た感じの2人を選ばなければいけません。たとえ内面が異なっていても、実際にどちらかがどちらかのスタントダブルをこなせそうに見える2人でなくてはいけませんでした。本当に、2人に出てもらえたのはツイていましたよ。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
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── リック・ダルトンはブラッド・ピットが演じるクリフ・ブースと親友の関係ですが、どのように準備をしましたか?

ディカプリオ:少し変わったシナリオでした。もちろん、僕はどんな役を演じるにあたっても徹底的にリサーチをします。リック・ダルトンも、ブラッド・ピットが演じるクリフ・ブースも、2人ともこの業界のちょっと外側にいて、ハリウッドがどんどん変革していく様子を見ながら、取り残されているんです。幸い、僕もブラッドも、役者として成功していると思います。それで、この業界やLAのことはよく見ているからこそ、リックとクリフの置かれている状況はとてもよく分かる。この業界を生き延びるために、共依存関係にあるんです。こういったバックグラウンドを、監督が全て用意されていたんですね。例えば、2人はどんな映画に出たとか、どんな関係だったか、とか。だから現場に入る時点で、キャラクターのことをよく知っている状態だったんです。時代の精神もしっかりとらえることができました。

キャラクターの組み立て方

── リック・ダルトンのキャラクター作りに参考にした人物は?

タランティーノ:いい質問です。当時は、リックと同じ様な状況の役者がたくさんいました。その背景には、50年代にテレビが登場したということがあります。それまでは映画や舞台、ラジオでしたが、新しいスターたちがテレビを通じて生まれていったんです。ただし、時代が50年代から60年代の過度期にさしかかるとき、この新たなスターたちはどうなるのか。そういったことはまだ見えていない、そんな時代だったんです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2488029 – ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD

TV俳優から映画俳優への転身に見事に成功した役者といえば、スティーブ・マックイーンやクリント・イーストウッド、ジェームズ・ガーナーがいますね。でも、転身がうまくいかなかった役者もいました。出演した映画の質があまり良くなかったり、ヒットしなかったり、運が良くなかったり。そういった役者たちの様々な要素を組み合わせて、リックというキャラクターを組み立てました。1人の役者を参考にしたのではなくて、この役者のこの部分と、あの役者のあの部分、といった具合です。「ルート66」のジョージ・マハリスや「サンセット77」のエド・バーンズ、「ブロンコ」のタイ・ハーディン、「ベン・ケーシー」のヴィンス・エドワーズなどの要素も取り入れました。

── リック・ダルトンの役作りにおいて、大切にしたことはなんですか?

ディカプリオ:たくさんの役者たちを参考にしました。リサーチをしている時は、未知の世界に入り込んだような感覚でしたね。クエンティン・タランティーノといえばシネフィル、映画マニア。知りもしなかった俳優や歴史をたくさん教えてもらいました。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
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この映画は、ハリウッド業界を祝福するような作品です。僕たちが愛した作品に貢献していた人々の多くが、今では忘れ去られていると思います。歴史や文化が激動する中で、リックはまだ存在できているし、仕事にもありつけている。ハリウッドという魔法のような場所でね。

(一緒に登場したプロデューサーのシャノンへの質問が出ないことに気付いて)次の質問は、この素晴らしいプロデューサー、シャノンに是非お願いします。

── それではシャノンさんへ。タランティーノ監督といえば、まさにシネフィルです。撮影の進め方も独特でしたか?

シャノン:タランティーノとの映画製作は、奇跡のようなものです。現場もファミリーのような感じ。初監督作の『レザボア・ドッグス』以来のクルーもいますし、みんな彼とまた仕事ができることをすごく楽しみにしているんです。彼のヴィジョンをみんなで一緒に表現しようという感じ。すごく刺激をくれるから、毎日楽しんで働いています。撮影の合間には、彼の歴史の授業が始まるんですよ。たとえば、観るべき映画、TVドラマはどれか、みたいな。そういうことを、誰よりも知っている人ですから。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2488029 – ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD

タランティーノが新作を書いていると聞きつけると、他のクルーたちも「いつ書き終わりそう?」って電話をかけてくるんですよ。みんな他の映画を断ってでも、タランティーノ監督作をやりたんですね。特に今回はディカプリオ、ブラッド、マーゴット(・ロビー)の共演作ですから、本当に光栄で、夢のような空間でした。

── この映画では奇跡を描いていますが、みなさんの身に起きたとんでもない奇跡はなんですか?

タランティーノ:ハッ(笑)。(会場笑)9作も映画を作って、こうして東京に来られたことですね。自分が1989年にビデオストアのイチ店員だったことを思うと(笑)、奇跡だと思いますよ。仕事としてではなく、アーティストとして物語を作れているということが幸運ですし、そのことを忘れたくないと思います。

ディカプリオ:クエンティンには同意見です。この小さな街ハリウッドに生まれ、ロサンゼルスで育った身として、世界中からたくさんの人がこのメッカ、夢の国に集まってくることは知っています。でも、誰もがここで夢を掴めるわけではない。僕は運が良くて、学校が終わったらオーディションに行くという生活を送ることができて、それで今日があります。今では自分で決定権を持って俳優が出来ていますが、まったく奇跡だと思います。このことに日々感謝していますし、共演者たちと共に仕事にありつけているというのも奇跡的です。99%の人は、こんな奇跡はなかなか得られません。

シャノン:大好きな業界で、大好きな人とこうして仕事が出来ていることが奇跡だと思います。仕事を支えてくれる夫と2人の子供に恵まれたことも。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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