『ワンハリ』出演シーン全カットされたティム・ロス、タランティーノに2人きりの試写を開いてもらっていた

クエンティン・タランティーノ監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)では、取捨選択の末に出演シーンをカットされてしまった俳優が何人かいる。『レザボア・ドッグス』(1992)『パルプ・フィクション』(1994)『ヘイトフル・エイト』(2015)と、タランティーノ監督とは長きに渡って関係を続けているティム・ロスもその1人だ。
このたび米Uproxxでは、ロス本人が出演シーンを全てカットされるまでに至った経緯を説明。「面白いんですよ」と話すロスは、タランティーノ監督と交わしたやり取りをこう振り返っている。
「実際に何が起こっていたのかというと、彼にはこのキャラクターを演じてくれと直接頼まれました。でも、結局完全にカットされてしまったんです。僕のキャラクターに関するストーリー全てをカットしたんです。」
既報によれば、ロスが演じたキャラクターは、シャロン・テート(マーゴット・ロビー)の元婚約者でヘアスタイリストのジェイ・セブリング(エミール・ハーシュ)の執事として知られたアモス・ラッセル。確かに本編に同人物は登場しない。これについて「もしそれを含めてしまったら、4時間半から5時間くらいになってしまっていたでしょうから。2部作にもしたくなさそうでしたし」とロス。もしカットされていなければ、セブリングとラッセルを中心としたシーンが展開されていたのだろう。
しかし、タランティーノが長年の友人の出番を無断でカットするわけもなく、ある日ロスは編集ルームに呼ばれたのだそう。ロスは「そこでこう言われました」と語る。
「“これから僕がカットする君のシーンを観てもらいたい”って。彼は、一緒に座って、僕のために試写をしてくれたんです。その時点では、まだ彼も考えが定まりきってなかったと思いますけどね。でもとにかく、試写を開いてくれるなんて、とっても素敵でした。」
残念ながらロスの演技を見ることはできなかったが、実はロス、本編では違う形で存在感を残している。エンドクレジットをよく見ると、「ティム・ロス(カット)」と記されているのだ。これを承知のロスも「ユーモアありますよね」と嬉しそう。さらには「僕の息子もこれをすごく気に入ってくれました」とも語った。
ちなみに、本作には初期編集版として4時間20分にまとめられたバージョンがあることも判明済み。これについては、以前タランティーノが将来的にリリースする意向を示していたこともあるので、もしかするとロスが演じた出演シーンが含まれているかもしれない。
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Source: Uproxx