故オジー・オズボーンのドキュメンタリー映画、予告編が公開 ─ 豪華ミュージシャン多数登場、「メタルの帝王」闘いの日々描く

2025年7月に逝去したヘヴィ・メタルの帝王、オジー・オズボーンのドキュメンタリー『No Escape From Now(原題)』より、レジェンドの偉業、家族やミュージシャン仲間からの愛されぶりが伝わる予告編映像が公開された。
ブラック・サバスのボーカリストとして、またソロアーティストとして数十年間に渡りヘヴィ・メタルやドゥーム・メタル界をけん引してきたオジーは、2020年にパーキンソン病を公表。2025年7月5日(現地時間)にイギリス・バーミンガムにてブラック・サバスのメンバーとともにラストコンサート「Back to the Beginning」を開催。約2週間後の7月22日、惜しくもこの世を去った。
『No Escape From Now』はオジーの過去6年間の健康問題と、ステージ復帰への道のりを描いた2時間のドキュメンタリー映画。オジー本人、妻のシャロン、エイミー、ケリー、ジャックの子どもたちを含むオズボーン一家の協力のもと、英国アカデミー賞ノミネート経験もあるタニア・アレクサンダーがメガホンを取った。
予告編の冒頭、カメラの前でオジーはファンにもなじみのあるお茶目な表情を浮かべている。「年を取ることを考えるよ。昔は走るために薬を飲んでた。今はただたくさん飲むだけだ」と本音を吐露するが、コンサート会場では何万ものファンがオジーの登場を待ちわびている。妻シャロンが「オジーの一つの後悔は、ファンに一度もさよならを言えていなかったこと」と語る様子からも、オジーがステージを心待ちにしていたことが分かる。その数年前に、首を骨折し、手術を終えたものの、予定していたフェアウェル・ツアーをキャンセルせざるを得なかったのだ。
2019年にはラッパーのポスト・マローンとコラボレーションした楽曲「Take What You Want」をリリース。娘のケリーは「毎日パパをスタジオに連れて行きました。彼は気分がよくなっていったし、魔法が始まったかのようでしたね」と制作期間を振り返る。スタジオでプロデューサーのアンドリュー・ワット、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのドラマー、チャド・スミスと談笑する様子はとても重病を患ったとは思えないほど。オジーも「楽しんだよ。今まで服用した中で一番いい薬だったね」とご機嫌だ。
シャロンが「大きなさよならコンサートのことをどう考えてるの?」と尋ねると、「そこに行くなら、そこで全てを手に入れたいよ」と返すオジー。「シャロンはオジーにふさわしい堂々とした見送りをしてあげたかったんだ」と語るのは、目下来日ツアー中のスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンだ。
本作にはコーガン他、錚々たるアーティストが登場する。ブラック・サバスのギタリストであるトニー・アイオミ、ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガンとスラッシュ、メタリカのジェームズ・ヘッドフィールドやロバート・トゥルヒーヨ、ビリー・アイドル、TOOLのメイナード・ジェームス・キーナン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、オジーと長年ツアーをともにした盟友ザック・ワイルド、プロデューサーのアンドリュー・ワット、ビリー・モリソン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、アリス・イン・チェインズのマイク・アイネズと、そのラインナップだけでもオジーの影響力の大きさが窺える。
ソファに腰かけ、「私の人生が終わろうとするなら、文句は言えないよ。素晴らしい人生を生きたから」と語るオジーの表情は穏やかだ。もともと、本作はオジーの追悼作品の意図で制作されたわけではない。しかし、プレスリリースが「このドキュメンタリーは、オジーの勇気、ウィット機知、決意、そして才能——世界中の何百万人もの人々にとって彼が今もヒーローであり続けることを保証する資質——を証明する作品となっています」と言及するように、オジーのファンにはもちろん、これからオジーの音楽に触れる視聴者にとっても、意義深い一作となることだろう。
『No Escape From Now(原題)』は2025年10月7日にParamount+にて独占配信。日本国内での配信スケジュールのみ、現時点では未定となっている。
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Source:YouTube