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『パラサイト 半地下の家族』米HBOがドラマ化へ ─ ポン・ジュノ監督と『バイス』アダム・マッケイがタッグ

パラサイト 半地下の家族
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2019年(第72回)カンヌ国際映画祭で〈最高賞〉パルムドールに輝き、第77回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が、「ゲーム・オブ・スローンズ」「チェルノブイリ」の米HBOによってドラマ化されることがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。

『パラサイト 半地下の家族』は、『殺人の追憶』(2003)や『母なる証明』(2009)、『スノーピアサー』(2013)、『okja/オクジャ』(2017)などで知られるポン・ジュノ監督の最新作。文字通り地上と地下の中間にある“半地下”の我が家に暮らし、しがない内職で日々を繋ぐキム一家が、豪邸に住む裕福なパク社長一家と出会ったことから、思わぬ事態に巻き込まれていく物語だ。経済格差や学歴社会、雇用問題など世界の問題を扱った第一級のエンターテインメントとして、世界各国で高い評価を受け、アメリカやフランスでも大ヒットを記録している。

HBOによるドラマ版は1シーズン限りのリミテッドシリーズとして製作されるとのこと。エグゼクティブ・プロデューサーとして、ポン・ジュノと『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)『バイス』(2018)のアダム・マッケイが契約交渉に入っている。マッケイは「サクセッション」(別題「メディア王〜華麗なる一族〜」)の製作総指揮を務めており、同作は『パラサイト』と同じく、第77回ゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門で作品賞(ドラマ部門)を受賞。ポン・ジュノ&アダム・マッケイの組み合わせというタッグは、もはや世界の最先端といえるだろう。

報道によると、現時点でHBOは契約を完了していないものの、すでにNetflixなどを含む権利獲得をめぐる競争に勝利。米Deadlineは、ジュノ自身がパートナーとしてHBOを選んだと伝えている。またThe Hollywood Reporterによると、創作面については初期段階だが、ジュノ&マッケイは映画版を翻案することになるという。

『パラサイト 半地下の家族』はカンヌ国際映画祭のパルムドール、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞のほか、ロサンゼルス映画批評家協会賞で作品賞・監督賞・助演男優賞、ニューヨーク映画批評家オンライン賞で作品賞・監督賞・脚本賞、ワシントンDC映画批評家協会で作品賞・監督賞・外国語映画賞、全米映画批評家協会賞で作品賞・脚本賞を受賞。来たるアカデミー賞でも作品賞や監督賞、外国語映画賞などの期待が高まっている。

映画『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日(金)より全国公開中

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Sources: The Hollywood Reporter, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。