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おしえてニコラス先生!本場のハロウィンを映画で学ぼう!ニコラス・ケイジ主演『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』レビュー

もうすぐ10月も終わり。今年もいよいよハロウィンが近づいて参りました。日本でも年々、盛り上がりを拡大し続けるハロウィン関連イベント、なんでもその市場規模は今やバレンタインを抜き、日本記念日協会(そんなのあるんだ)の調査によると市場規模は1,220億円にも登るとか。しかし、宗教的祭事色の強い子供中心のイベントである欧米とは異なり、日本でのハロウィンの扱われ方は、SNSが生活の中心にある若者が主体となった独特のコスプレお祭り騒ぎ感が強いと感じます。かく言う筆者も、昨年生まれて初めてハロウィンイベントらしきものに参加しました。友人に呼ばれて100人くらいの子供たちによる仮装行列の誘導員をダークナイト版ジョーカーの仮装をして務めたのですが、私を呼びつけた件の友人のコスプレが、スーパーマリオだったのです。筆者の認識では、ハロウィンの仮装ってのは「悪い人」や「怖い人」の格好をするものだと思っておりましたので、「マリオ」はないだろう、悪要素ゼロじゃないか、と思ったのですが、子供たちには私のジョーカーはひどく怖がられ、マリオは大人気でして、自分はハロウィン的に正義なはずなのに・・・と記念撮影の輪から漏れながら、複雑な気分になりました。
別に欧米由来の文化だからって、なんでもオリジン通りにやらなくてはいけないなんてことは全くないのですが、やはり「本来はどうであるか」を知っているのと知らないのとでは、そのイベントに「厚み」を加えるうえで重要なファクターになると思います。ただの「若者たちと、それを商売にしたい企業のイベント」ではなく真の意味でハロウィンを日本に根付かせる意味でも、やはりここは、一回腰を据えて、本場のハロウィンはどういったものか学ぶべき、そういった意味の教材としても最適な、僕らのニコラス兄さん主演のホラー映画が届きましたのでご紹介いたします。

© 2015 PTG NEVADA, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


10/22公開、ウーリー・エデル監督、ニコラス・ケイジ主演『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』、まず何よりご紹介したいのは、非常に秀逸な物語の導入、フライヤーなどに印刷される所謂「あらすじ」です。ハイコンセプト映画ここにあり。端的に言って、「超面白そう」なのであります。以下、引用させて頂きます(一部アレンジを加えてます)。

ニューヨークの大学で教鞭をとるマイク(ニコラス兄さん)は、ハロウィンの夜7歳の息子チャーリー(ジャック・フルトン)にねだられ、祭り見物にでる。ところがチャーリーは「霊に償ってくれる?」と謎めいた一言を残し、突然姿を消してしまう。チャーリー失踪の手がかりを必死に探し続けるマイク(ニコラス兄さん)はやがて恐るべき事実にたどりつく。
毎年ハロウィンに子供たちの失踪事件が起きていること、そしてその子供たちは決して見つからないということ。果たして何者の仕業なのか?次の年のハロウィンが迫る中、ニコラス兄さんの周辺に次々に怪異現象が起こる!それは悪霊の誘いか、それともチャーリーからのメッセージか!?

いかがでしょうか。気になるストーリーでしょう?
本作はオーソドックスな古典ホラー映画の体裁をベースに、随所に現代的要素が盛り込まれた作りになっており、失礼な言い方ですが、映画として非常に安定感のある作りになっています。こういう言い方をしなければならないのは、ひとえにニコラス兄さんが(様々な私生活面の事情から)多作な故、生み出された珍作、怪作の数が激しく多い(真のニコラスファンは、そういった交通事故的な作品遭遇も楽しめるのですが)ためですが、今作は大丈夫(めでたい)。うがった意味ではなく、一般的基準で「面白いホラー映画」になっております。

今作の脚本を担当したダン・ケイは、近作でTVドラマで米版「ザ・リング」や「THE JUON」を製作したダグ・デイヴィソンと「The Diabolic」というやはりスリラーを作っているようですが、「ペイ・ザ・ゴースト」にどことなく漂う、Jホラーのエッセンスは、こういった事情と無関係ではないでしょう。また、ホラージャンル映画で気になるゴア描写ですが、今作はスピリチュアルホラー、実体のない霊が主体の映画ですので、描写そのものはかなり控えめです。血が苦手な方でも鑑賞に堪えうると思います。

役者陣の演技については、まず親ニコラス派の筆者にとって、ニコラス・ケイジ主演作で何が見たいって、「ニコラス兄さんの困り顔」なわけで、同好の士はたくさんいらっしゃると思うのですが、そういった好事家の方々に朗報です。あらすじをお読みになってお察しの通り、今作、ニコラス兄さん超困ってます(拍手)。息子はいなくなるわ、奥さんに責められるわ、悪霊でてくるわで困りっぱなし。そりゃ状況鑑みて困らないのは無理ですが、時に顔芸と揶揄されることもある、ニコラス兄さんの迫真の演技が今作ではたっぷり味わえます。ご安心ください。

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また、ニコラス兄さんの奥さんを演じたサラ・ウェイン・キャリーズ。どっかで見たと思ったらドラマ「プリズンブレイク」でマイケルと恋仲になったせいで大変なことになる女医さんですが、美人過ぎない美人と言いましょうか、表情によってはどことなくエミリー・ワトソンを彷彿とさせるような、ミステリアスな浮世離れした雰囲気を醸し出せる、今作の配役にピッタリの役者さんだったと思います。主にこの二人の抜群の演技が、画面にバランスの良い緊張感をもたらしていたように思います。

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本作のパンフレットによりますと、ハロウィンの語源は「諸聖人の祝日の前夜」を意味する「All Hallow’s Eve」が縮んで「Halloween」となったと言われており、起源は古代ケルト民族の収穫祭です。古代ケルトの暦では1年の終わりは10月31日、11月1日の新年一日目を「諸聖人の日」としていました。10月31日には死者の霊が親族を訪ねたり、悪霊が子供を浚ったり、作物を荒らしたりすると信じられ、それら悪しき霊を追い出す祭事が行われるようになったのがはじまりなんだそうです。(まるでお盆じゃねえか、とか言わないでくださいね。)
どうですか読者の皆様。ハロウィンのこと、殆ど知らなかったんじゃありませんか?今作『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』では前述のとおり、ハロウィンを起点に物語が回りますので、当然のことながらこの祭事が物語の鍵となっており、作中、欧米、キリスト教圏に於いてのハロウィン文化を色々な角度から窺い知ることができます。
今年は、仮装パーティーにお出かけする前に、また混雑電車の中でインスタ大会をする前に、劇場にてニコラス兄さんに本場のハロウィンをご教授いただき、霊が住む幽玄なる世界に思いを馳せながら10/31を迎えるというのはいかがでしょうか。

 『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』 配給:ギャガ・プラス  

1022日(土)渋谷シネパレス他全国順次ロードショー

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Writer

アクトンボーイ
アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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