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「ピースメイカー」ジャスティス・リーグ登場シーン、新DCユニバースから除外される ─ 「それ以外は正史」とジェームズ・ガン

ピースメイカー
Peacemaker and all related characters and elements © & TM DC and Warner Bros. Entertainment Inc.

現在、DCユニバースはやや複雑な状況にある。映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)と、ドラマ「ピースメイカー」(2022-)を手がけたジェームズ・ガンが指揮を務めることで、「どこからどこまでが正史なのか?」が不安定になっているのだ。

新DCユニバースは、アニメシリーズ「クリーチャー・コマンドーズ」で開幕を迎えた。現在、ガンは『ザ・スーサイド・スクワッド』と「ピースメイカー」シーズン1を、新ユニバースでも「軽い正史」として扱うことを認めている。ただし、ひとつのシーンを除いて。

The Hollywood Reporterにて、ガンは「『ピースメイカー』はそのまま引き継ぎます。ただし、とあるグループが最後に出てくるところを除いて」と笑った。“とあるグループ”とは、最終話「カウか死か」のラストにカメオ登場したジャスティス・リーグのことだ。ジェイソン・モモア演じるアクアマンとエズラ・ミラー演じるフラッシュは顔を見せ、スーパーマンとワンダーウーマンはシルエットでの登場となった。

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ユニバースの刷新にあたり、旧体制でジャスティス・リーグの面々を演じた俳優陣は全員交代となる。スーパーマン役はヘンリー・カヴィルから、ガン自身が監督する単独映画『スーパーマン(原題)』で初登場のデヴィッド・コレンスウェットへ。その他の新たな顔ぶれは、これから少しずつ明らかになっていく見込みだ。ガンは「(新たなユニバースに)彼らはまだ存在しません」とも言い切っている。

しかし、なぜこれほどややこしいことになったのか。それは「ピースメイカー」シーズン1の製作当時、ガンが新DCユニバースの統括を担うことはまだ決まっていなかったからだ。同作の成功を受け、ワーナーはガンに新たなシリーズの製作を打診。その後、ガンが「クリーチャー・コマンドーズ」の脚本をすべて書き終えたあと、DCスタジオの代表就任のオファーがあったという。

すなわち「ピースメイカー」でジャスティス・リーグをカメオ登場させたのはシンプルなジョークだったのだが、ガンにとっても、自分がユニバースの指揮を執るならば話は変わってくるということだろう。ちなみに配信当時、ガンはモモア&ミラーの出演秘話をこのように語っていた

「撮影前にジェイソンに話したんです。“(ピースメイカーが)アクアマンはいつも魚とヤッてる”と言うのはどうかと。怒られるんじゃないかと心配したけれど、彼は笑ってくれて、最初から乗り気でした。エズラは、僕の映画が好きだという話を共通の友人から聞いていたので、お願いしたら快く引き受けてくれた。実は、エズラの出番は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の撮影中に撮ったんですよ。」

それでは今後、新DCユニバースと旧ユニバースの作品群はどのような関係性を結んでいくのか。これについて、ガンは明確なルールを語っている。「(旧体制の出来事でも)新しいユニバースの作品で言及があったなら、それは(正史として)起こったこと。そういう形で取り組んでいます」

DCアニメ「クリーチャー・コマンドーズ」はU-NEXTにて独占配信中。

▼ DCの記事

Source: The Hollywood Reporter, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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