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ブラッド・ピット主演のF1映画、コスト増大で製作費3億ドル超えに ─ ストライキによる撮影中断で

『アド・アストラ』ブラッド・ピット 来日記者会見
© THE RIVER

ブラッド・ピットと『トップガン マーヴェリック』(2022)のジョセフ・コシンスキー監督がタッグを組むF1映画(タイトル未定)が、映画史上でも屈指の製作費となる見込みであることがわかった。米Puckなどが報じている。

2023年7月に撮影が開始された本作は、ピット演じる元F1レーサーが、新人たちとともにレース界のライバルに立ち向かうストーリー。コシンスキー監督は、『トップガン マーヴェリック』と同じく出演者本人がF1カーを実際に操縦するコンセプトを採用し、キャスト&スタッフは2023年F1イギリス・グランプリの会場であるシルバーストン・サーキットのコース上で撮影を実施していた。

ところが、このコンセプトゆえに製作費は思いのほか膨れ上がった。2023年7月14日に始まった全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキにより、撮影は約4ヶ月にわたって中断を余儀なくされたのだ。出演者をF1カーに乗せるためのトレーニングと安全対策、そのほかコストの増大によって全体の製作費がかさみ、3億ドルの大台を超える事態になったという。

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新型コロナウイルス禍の撮影中断では、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023)や『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)がいずれも製作費3億ドルを超えた。コスト回収のためには全世界興行収入8億ドル前後が必要となるため、興行面のハードルは否応なしに上がることになる。

本作の製作・配給は『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)『ナポレオン』(2023)などを手がけてきたApple。同社は従来の映画ビジネスに縛られず、自社サービスであるApple TV+での独占配信を見据え、劇場興行を必ずしも重視しない戦略を取ってきたが、これほどのハイコストは例がない。劇場配給の担当は米国・海外ともに未定だが、これほどの高コストとあっては、なかなかリスクを背負う配給会社が出てこないのも実情だ。しかしながら製作費3億ドルを投じた高予算映画を、いくらなんでも劇場公開なしで配信リリースに踏み切るとは考えにくい。

既報によると、製作陣は「史上最もリアルで、最も感動的なレース映画」を目指しているとのこと。無事に劇場公開が実現することを祈りたい。

出演者はブラッド・ピットのほか、チームメイト役に「スノーフォール」(2017-2023)『デンジャー・ゾーン』(2021)のダムソン・イドリス。F1世界王者に7度輝くルイス・ハミルトンが出演・製作を兼任し、F1カーのデザインはメルセデスが担当した。脚本は『トップガン マーヴェリック』のアーレン・クルーガー。

Source: Puck, Screen Rant

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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