ブラッド・ピット、世代交代を示唆 ─ 今後は映画出演減らす、「他にやりたいことがある」

レオナルド・ディカプリオとの初共演を果たした『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に、初の”宇宙モノ”で主演となる『アド・アストラ』──共に批評家からも絶賛される話題作が続いた2019年、ブラッド・ピットにとっては大きな区切りとなりそうだ。
寂しいことにピットは、米The New York Timesのインタビューで、以降は映画出演の機会を少なくしていくと宣言している。俳優業引退とまではいかずとも、私達がブラッド・ピットの最新作を拝めるのは、今後とても少なくなっていくということだ。
誰もが知る二枚目映画スターとしてのイメージが強いピットだが、近年は自らの映画出演の機会を徐々に減らしていた。自身が設立した映画制作会社Plan Bとして製作側に回る機会を増やしていたからだ。おかげで、『ムーンライト』(2017)など数々の良作を手掛けることができた。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はピット主演の劇場公開作としてやや久々の大作となったが、今作の米公開前インタビューにおいても、役者業について「若い人たちのゲームだ」と世代交代を示唆していた。この度も同様の言葉を語っている。プロデューサー業は、役者と違って「早起きしてメイクしなくていい」とか。
「(出演の機会は)少なくなっていくし、僕からは遠ざかっていく。今は他にやりたいことがあるからです。」
そもそもピットは、Netflixなど映像配信サービスが台頭したコンテンツ産業の今後を、相当に冷静視しているのだ。以前のインタビューでは「ストリーミングサービスには感謝しています。良い企画がたくさん成立するようになったから。脚本家に監督、役者に機会が与えられるようになった。世の中にはこんなにも才能が溢れていたんだな、と気付かされます」と答え、映画とストリーミングは「共生できる」としながらも、「でも僕は(時代遅れの)恐竜になっているかも」と懸念。
今回は「映画(という産業)が続いていくものなのか、まだあるものなのか知りたい」と答えているあたりから察するに、映画業界で約30年生きたピットの目には、業界に大きなうごめきが見えているに違いない。
ともかく、役者ブラッド・ピットの姿が見られるのは、公開中の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と、2019年9月20日公開の『アド・アストラ』がしばらくの最後となることは間違いない。絶対に劇場で目に焼き付けておこう。
なお、「他にやりたいことがある」と答えたピットだが、現在の関心は彫刻と造園にあるという。
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