世紀の愛の物語『燃ゆる女の肖像』見られる女が振り返る、息を呑む本編映像が公開

第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞&クィア・パルム賞に輝いた、世界中の映画人が絶賛するフランス映画『燃ゆる女の肖像』が、2020年12月4日(金)に全国順次公開される。この度、描く側の“見る”女と被写体となる“見られる”女が織りなす、印象的な本編映像が解禁となった。
18世紀のフランス、ブルターニュの孤島。画家のマリアンヌは、とある貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。しかし、エロイーズ自身は結婚を拒んでいた。身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに像画を完成させたマリアンヌは、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すことを決めたマリアンヌに、意外にもエロイーズは被写体になると自ら申し出るのだった。キャンバスを挟んで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合う内、二人は恋に落ちる。しかし、肖像画の完成は別れを意味していた……。

本編映像では、言葉を交わすことも少なく、初めての散歩から屋敷に戻った後のエロイーズとマリアンヌの姿が捉えられている。階段の少し先を行くエロイーズの特徴を自分の中で反復するマリアンヌの心の声が響く中、エロイーズは突然振り返り、マリアンヌに本を貸して欲しいと切り出す。予想もしていなかった言葉に対して、マリアンヌは驚きを隠せなかった。本作では、前を行く者が“振り返る”ことは二人の関係の中で重要な要素となっていくため、劇中何度も登場するその場面に注目だ。
規律の厳しい修道院から出てきたばかりのエロイーズは、親が決めた未来に悲観し心を閉ざしていた一方で、未知のことに対する好奇心を持て余してもいた。そんなエロイーズ役を演じたアデル・エネルは、自身の役柄や本作が描く愛について、以下のように語っている。
「エロイーズが他の作品で描かれてきたミューズと違っていることは確かです。従来のミューズの役割とは、女性は部屋の中にいて、男性が考え、男性が創作するものであったと思います。でもこの映画では、2人が向き合い、語り合い、より美しい答えを求める…そんなコラボレーションのもとに存在する愛が描かれています。」

監督は『水の中のつぼみ』(2007)『トムボーイ』(2011)の他、『ぼくの名前はズッキーニ』(2016)の脚本でも話題を呼んだセリーヌ・シアマ。セザール賞を2度も受賞したアデル・エネルがエロイーズ役、本作でセザール賞にノミネートされたノエミ・メルランがマリアンヌ役を演じた。現在、フランスで最も称賛される女優が織りなす、息が止まるほど愛おしく、切なく、情熱的な愛の物語である。
映画『燃ゆる女の肖像』は2020年12月4日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。