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【インタビュー】『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』園子温が原爆の影響語る ─ ニコラス・ケイジと新宿で意気投合、ソフィア・ブテラとやりあっていた?

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド

『愛のむきだし』(2008)『冷たい熱帯魚』(2010)など数々の傑作を世に送り出してきた鬼才・園子温監督が、ついにハリウッドデビューを果たした。ニコラス・ケイジ主演、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が現在公開中だ。

架空の未来都市サムライタウン。ある日、悪名高き銀行強盗のヒーロー(ニコラス・ケイジ)は、街を牛耳る悪徳支配者、ガバナー(ビル・ モーズリー)のもとから逃げ出したひとりの女性を連れ戻すよう命令を受ける。その女性の名はバーニス(ソフィア・ブテラ)。ヒーローは自由と引き換えに、制限時間を超えると爆発する服を無理やり装着され、ゴーストランドまでバーニスを追う羽目に。サムライタウンに決められた時間内に戻らねば自身の命が危ない……。

『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』をはじめ、『紀子の食卓』(2006)『希望の国』(2012)『地獄でなぜ悪い』(2013)『TOKYO TRIBE』(2014)など常に独特の世界観の中で新境地を切り開き続ける園子温監督。THE RIVERは、日本が世界に誇る鬼才監督に取材する機会に恵まれた。ハリウッドデビュー作を手がけるに至るまでの経緯をはじめ、キャストとの裏話、広島・原爆からの影響、今後のキャリアなどについて尋ねてみた。

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
©2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS

ハリウッドデビューまでの道のり

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
©2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS

──ハリウッドデビューおめでとうございます。実現するまでは長い道のりだったと思いますが、本作を手がけるきっかけや背景について教えてください。

ありがとうございます。ハリウッドで映画を撮ることについては、15年ほど前から考えていました。『愛のむきだし』(2006)を手がける半年ぐらい前のことですけど、どうしてもハリウッドで映画を撮りたいと思っていて、そこではじめにロサンゼルスにプロモーションをかけに行くことになったんです。その時から今に至るまで、ロサンゼルスに何度も行っては、オーディションを受けるなど色々と試してみたんですけど、なかなか上手くいかなかくて。

そしたら3年ぐらい前にこの映画の台本を渡されて、“やりますか?”と聞かれたんですが、台本を読む前から、“やれるのであればやります”と返事しました。面白さが足りなかったら自分で脚色したり、リライトしたりすればより面白くすることが出来るだろうとも思っていましたから。それに引き受けても上手くいかないことはあるので、まずは受けておくべきという感じでした。それから1年後、ニコラス・ケイジの出演が決まって、“これは上手くいくだろう”と思いましたよ。

──ニコラス・ケイジの出演が後々決まったということですが、キャスティングには監督も携わっていたのでしょうか?

キャスティングは任せていました。どこまで幅を広げて良いのかもわかりませんでしたし、ギャラもみなさん破格の値段だと思うので、制作費と向き合いながら決めていくことは僕にはまだ早すぎました。

だからニコラス・ケイジがどうやって決まったのかは僕としてもよくわからないままだったんです。ただ、しばらくしてから、ニコラスがプライベートで東京に来ることがありまして、連絡をもらい会って話すことになったんです。そこで彼から、“『アンチポルノ』(2016)という君の映画を観て、すごく感動して泣いたよ。だから君と一緒に映画を作ることに何の心配もしていないし、とにかくクレイジーな映画を作ろう”と言われました。それで意気投合して、ゴールデン街で呑むことになって、この作品は上手くいくだろうと思ったんです。

キャストとの裏話

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
©2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS

──盃を交わし信頼関係を深めたニコラス・ケイジをはじめ、ソフィア・ブテラやビル・ モーズリーに演技指導のようなことは撮影中なされたのでしょうか?

ニコラスには特に言うことがなかったので、そこまで何も言わなかったです。ソフィアとは色々とやりあってましたけど。

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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