鬼才ブランドン・クローネンバーグ監督『ポゼッサー』危険すぎる本予告編 ─ 意識と肉体を乗っ取る暗殺者、乗っ取られる側の攻防描く

デヴィッド・クローネンバーグの遺伝子を完璧に受け継いだ息子、ブランドン・クローネンバーグ。2022年3月4日(金)より日本公開を迎える長編第二作『ポゼッサー』より、危険すぎる本予告編が公開された。
予告編には過激な描写が含まれていますので、ご視聴の際にはご注意ください。
『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した長編第二作となる本作では、他人の意識と肉体を乗っ取り任務を遂行する暗殺者の女性と、乗っ取られた側の男の攻防を描く。このたび公開された本予告編では、「この映画の本質に気づかなかった人は幸福な人だ」という不穏で挑発的なテロップに続き、「全世界が言葉を失った戦慄のSFノワール」と映し出されて幕を開ける。
続けて、暗殺者のタシャがある黒人女性を乗っ取り男性の喉元をめった刺しにするという衝撃的なシーンの一部が映し出される。タシャには、幼い息子と別れたパートナーの男性がいるが、暗殺者である自分の正体をふたりには隠している。そんなタシャに、ジェニファー・ジェイソン・リー演じる上司ガーダーは、「次は大型契約よ」と告げる。
次なる標的は巨大企業のCEOであり、その令嬢の婿コリン・テイトに入り込み、暗殺を行うという筋書きのようだ。続くシーンでは、他人の潜在意識と肉体を“POSSESS/所有”する過程を可視化したスタイリッシュかつ刺激的な描写が挟み込まれる。その後、テイトに乗り移って暗殺を遂行しようとするタシャだったが、他人の脳から脱出するためには、その脳を破壊しなければならないのだ。口の中に銃を突っ込み、引き金を引こうとするタシャだったが、どうしても撃つことができない。
テイトの脳から抜け出せなくなったタシャは、その異常事態に慄き、「私に何をした、私じゃない」と呟く。同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイトの攻防が、眩い光の点滅、流動する人体の輪郭と、フィジカルな特殊効果により達成された独自の美しさによって描かれていく。
誰が真の“POSSESSOR/所有者”なのか。自分は自分の“POSSESSOR/所有者”でいられるのか。最後に映る、まるで人間の抜け殻になったかのような、タシャのマスクを被った異様な姿も強烈なインパクトを残している。











映画『ポゼッサー』は、2022年3月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他全国順次公開。