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リブート版『ファンタスティック・フォー』実現しなかった幻の脚本あった ─ 「ファンタスティック・ファイブになりかけていたという話」

ファンタスティック・フォー
© 2015 MARVEL

リブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)には、映画化されなかった幻の脚本があった。公開から4年を経て、脚本家のザック・ステンツ氏が明かした。

このたび、米国のポッドキャスト「Fatman Beyond」に登場したステンツ氏は、かつて『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011)の脚本をアシュリー・エドワード・ミラー氏と共同執筆した人物。かつて両氏は、『ファースト・ジェネレーション』以外にも20世紀フォックスによるマーベル映画にいくつか携わっていたようだ。その中には、なんと『X-MEN』『デッドプール』『ファンタスティック・フォー』『デアデビル』のクロスオーバーという大作もあった。残念ながら、脚本は完成していたにもかかわらず、製作は見送られてしまったわけだが……。

そして、同じく製作が見送られたのが、ステンツ氏&ミラー氏によるリブート版『ファンタスティック・フォー』だった。そもそも2人は、同作を手がけたジョシュ・トランク監督のために脚本執筆に入っていたのだという。

「僕たちは彼(トランク)のために脚本を書いていたはずだったんです。だけど、僕らがそういう仕事をしているってことを、(フォックスの)誰も彼に伝えていなかった。だから契約を結んだ時、“どうして別の脚本家が書いたものを使わなきゃいけないんですか”という話になったと。自分の脚本家を使いたい、自分自身の脚本を映画化したいというので、彼の脚本が使われたわけです。」

完全なる悲劇である。どういうわけか、フォックスがトランク監督に脚本の存在を伝えていなかったために、ステンツ氏&ミラー氏の脚本はお蔵入りになってしまったのである。リブート版『ファンタスティック・フォー』の脚本家としてクレジットされているのは、ジェレミー・スレイター、サイモン・キンバーグ、そしてトランク監督自身だ。

当時を振り返って、ステンツ氏は「報酬はもらいましたが、僕らのキャリアにとっては大打撃でした」と述べている。実現しなかった脚本の出来栄えには、「本当に自信があった」というのだ。

ファンタスティック・フォーはもともとファンタスティック・ファイブになりかけていた、という話でした。ヴィクター・フォン・ドゥーム[編注:ファンタスティック・フォーの宿敵、ドクター・ドゥームの本名]という若い青年が、大きな傷を負って、彼らの一員になりそびれる。自信のある脚本だったんですが、ジョシュ・トランクはやりたくなかったみたいで。」

さて、実現しなかったリブート版『ファンタスティック・フォー』、あなたは観てみたかった…? 20世紀フォックス製作、映画版『ファンタスティック・フォー』全3作(リブート版含む)のブルーレイ&DVDは発売中。

Sources: Fatman BeyondComicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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