Menu
(0)

Search

『私ときどきレッサーパンダ』、アニメ「セーラームーン」「らんま1/2」「犬夜叉」からの影響あり ─ 表現面では『東京ゴッドファーザー』

私ときどきレッサーパンダ
(C) 2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

数々の感動的な物語を贈り届けてきたディズニー&ピクサー。そのスタジオによる最新作『私ときどきレッサーパンダ』は、ある出来事をきっかけに感情をコントロールできなくなり、レッサーパンダに変身してしまうひとりの女の子が、“自分らしさ”に葛藤する姿を描く物語だ。

イマジネーションにあふれたユニークな世界が描かれる本作の監督を務めたのは、『インクレディブル・ファミリー』(2018)と同時上映された短編映画『Bao』(2018)を手がけた気鋭、ドミー・シー。ピクサーの短編映画を監督した初の女性としても知られており、アカデミー賞では見事受賞を果たしている。そんなシー監督は、日本のアニメのファンであり、本作でも大きな影響を受けているという。一体、どんな作品から影響を受けたのだろうか?

私ときどきレッサーパンダ
(C) 2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

「美少女戦士セーラームーン」

さまざまなインタビューの場や、ワールドプレミアにて製作陣から最も名が挙げられた影響作品のひとつが、子供から大人までにいまなお愛され続ける「美少女戦士セーラームーン」。“月にかわっておしおきよ”でお馴染みの同作は、ドジで泣き虫の主人公・月野うさぎが、セーラームーンという愛と正義の戦士に変身し、地球を攻めてくる悪と戦う姿を描く作品だ。

ワールドプレミアにてドミー・シー監督は、「美少女戦士セーラームーン」が特に影響を受けた作品としながら、「パステル色の色調や、女の子たちの友情などに、それは見て取れると思います」と説明している。

Cinema Blendのインタビューにてプロダクション・デザイナーのロナ・リウもまた、「美少女戦士セーラームーン」について「毎日3時半に学校を出て、『セーラームーン』に間に合うように急いで家に帰り、それを録画して勉強していたことをよく覚えています」と子供時代の思い出を話す。続けてリウは、「パステルカラーと背景の魔法的な感じがたまらなくて。とにかく自分たちが好きなものから参考にしたのです」とその影響を認めている。

セーラームーンをはじめ、セーラーマーズらセーラー戦士にはそれぞれイメージカラーがあり、そういったキャラクターたちや背景を含めた色彩要素が本作に反映されているということだろう。

『東京ゴッドファーザーズ』

Cinema Blendのインタビューにてロナ・リウは、「美少女戦士セーラームーン」のほか、今敏監督による『東京ゴッドファーザーズ』からのインスピレーションについても語っていた。2003年に公開された同作は、クリスマスイブの夜を舞台に、新宿で暮らす3人のホームレスが、ゴミ捨て場で偶然拾った赤ちゃんを親元に返すため奮闘する物語だ。『東京ゴッドファーザーズ』のキャラクターのパフォーマンスについて、「とてもリアルで、表情豊かでした」と述べており、本作における登場人物たちの表現面の参考にしたのだという。

「らんま1/2」「フルーツバスケット」「犬夜叉」

『私ときどきレッサーパンダ』は、メインキャラクターのメイが感情を上手く制御できず興奮すると、モフモフのレッサーパンダに変身してしまうという設定の物語。“変身”という要素は、「らんま1/2」および「フルーツバスケット」からの影響があるようだ。

高橋留美子の同名漫画が原作の「らんま1/2」は、水をかぶると女になってしまう特異体質の高校生格闘家・早乙女乱馬を主人公とした物語。一方の「フルーツバスケット」では、ひとりの女子高校生と、異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまうという体質を持つ一族が描かれる。

ワールドプレミアにてドミー・シー監督は、「『らんま 1/2』や『フルーツバスケット』なども、メイが人間からレッサーパンダへ、またレッサーパンダから人間へと、突如ポン!と変身するシーンにおいて、アニメの持つ遊び心という点で、大きなインスピレーションを与えてくれています」とその影響を認めていた。

さらに、Polygonのインタビューにてシー監督は、「犬夜叉」からも影響を受けていたと説明している。同作もまた高橋留美子の同名漫画を原作とした作品で、半妖の犬夜叉と時代を超えて現代から戦国時代にやってきた女子中学生のかごめを中心に、四魂の玉を巡る奈落との戦いを描く冒険物語だ。「犬夜叉」からの影響理由については説明されていないが、同作には様々なものに変身可能な七宝という子狐妖怪が犬夜叉たちの仲間として登場する。もしかしたら、ここでも変身という要素を参考にしているのかもしれない。

細田守監督との対談&影響

ドミー・シー監督と細田守監督は過去に、アカデミー賞の授賞式の会場で出会い、そこで親交を深めたという。そのふたりが本作の公開をきっかけに対談を果たし、シー監督は細田監督の『時をかける少女』(2006)からの影響を語っている。

シー監督は本作を製作した理由について、「これまでに若い女の子が参考に出来る女性の成長を描いた作品にあまり出会えませんでした。だからこそ、この作品をつくりました」と説明。さらには、「実は細田監督の『時をかける少女』に影響を受けたシーンもあるんです」という。細田監督による『時をかける少女』は、ひょんなことからタイムリープの能力を手に入れた女子高校生の紺野真琴が、ひと夏の不思議な冒険に繰り出す物語。オマージュが捧げられた場面については説明されていないが、“女性の成長”を描くという点では共通点がありそうだ。

『私ときどきレッサーパンダ』は、2022年3月11日(金)よりディズニープラスにて見放題で独占配信中。

あわせて読みたい

Source:PolygonCinema Blend

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly