『ザ・バットマン』監督、ロバート・パティンソンの配役に対する批判に反論 ─ 「『トワイライト』以降の彼を知らないからだ」

『ダークナイト』3部作以来となるバットマンの単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、ロバート・パティンソンがバットマン/ブルース・ウェイン役で主演する。そのキャスティングが発表された際、『バットマン』シリーズやDC映画のファンの一部からバッシングが巻き起こったことについて、監督のマット・リーヴスが思うところを語った。
米Esquireのインタビューに登場したリーヴスは、バットマンを演じるパティンソンを次のように擁護している。
「長編映画でバットマンを演じると発表された俳優で、反発を受けなかった人はいません。(パティンソンの主演に)ワクワクした人たちは、『トワイライト』以降にロブが出演した作品を知っているからですよね。興奮しなかった人たちは、『トライライト』後の彼の仕事を知らないからでしょう。」
リーヴス監督は、パティンソンが青春ヴァンパイア映画『トワイライト』シリーズ以降に出演した作品を知っていれば、彼がバットマン役にキャスティングされたとのニュースに、誰もいきり立つことはなかっただろうと反論している。
では、『トワイライト』シリーズでブレイクを果たした後、パティンソンはどんな映画に出演しているのだろうか。まず一番に目を引くのは、鬼才デヴィッド・クローネンバーグが監督を務めた『コズモポリス』(2012)。ドン・デリーロの同名小説を映画化した本作は、金融界で時代の寵児となった青年の栄光と転落がダークなタッチで描かれる文芸サスペンス映画。パティンソンが演じた主人公エリックは高級スーツを着こなしてリムジンを乗り回し、若きブルース・ウェインを彷彿させるようなキャラクターで、今から振り返ると、この役で予行演習をしていたのではないかと思えるほどだ。
その他にもパティンソンは、『アンカット・ダイヤモンド』(2019)で高い評価を得たジョシュ&ベニー・サフディ兄弟が監督を務めたインディ映画『グッド・タイム』(2017)で、銀行強盗に失敗して捕まった弟を救い出そうとするチンピラまがいの犯罪者を好演。最近では、クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(2020)で主人公“名もなき男”に協力するニール役で重要な役割を果たし、『トワイライト』とはかけ離れたジャンル作品やキャラクターに挑んでいる。そんな、パティンソンの経歴を評価して彼をバットマン役に起用したリーヴス監督にしてみれば、「彼の真の才能を知らないだろ」と反論したくなってしまったのかもしれない。
バットマン役に決定してバッシングを受けたのは、パティンソンだけではない。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)で6代目バットマンとなったベン・アフレックも、ファンから非難を受けて傷ついたと語っていた。
果たして、リーヴス監督が才能を認めて抜擢したパティンソンは、バットマン役に適しているのか?それは、2022年3月11日に日本公開される『THE BATMAN-ザ・バットマン-』を観賞して、自分で判断するしかないだろう。
Source:Esquire