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ブレンダン・フレイザー、『レンタル・ファミリー』と『ザ・ホエール』は似ている ─ 「現実と作り話が重なるところに、真の映画は宿る」【インタビュー】

レンタル・ファミリー
©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

『ハムナプトラ』シリーズで活躍し、『ザ・ホエール』(2022)ではアカデミー賞®主演男優賞に輝いたオスカー俳優のブレンダン・フレイザーを主演に迎え、日本を舞台に、日本人監督と日本人キャストと共に製作された映画『レンタル・ファミリー』が日本公開となった。

ハリウッド作品でありながら、オール日本ロケを敢行した注目作。主人公は、かつての日本の歯磨き粉CMで有名になった外国人俳優フィリップ。日本に居心地の良さを感じて暮らし続けていたが、俳優としては落ちぶれていた。そんな中、“レンタル家族”として他人の人生の中で“仮の”役割を演じる仕事に出会い、想像もしなかった人生の一部を体験する。フィリップはさまざまな日本の友人たちと出会い、生きる喜びを見出していく……。

外国人俳優として日本で暮らし、“レンタルファミリー業”にやりがいを見出していく主人公フィリップ。THE RIVERでは、主演前作『ザ・ホエール』に続いてブレンダン・フレイザーにインタビューを実行した。

ちなみに筆者がブレンダンへのインタビューを行う直前、共演の平岳大&山本真理に取材を行ってきた。フレイザーはそのインタビューにご機嫌乱入しており、ここではその“再会”。すっかり楽しそうなフレイザーは、日本滞在の楽しい思い出や、作品に込めた思いをじっくり語ってくれた。なんでもアリなインタビューの様子は、ぜひ動画でもお楽しみいただきたい。

『レンタル・ファミリー』 主演ブレンダン・フレイザー インタビュー

──(平さん&山本さんのインタビューへの乱入後ということで)ブレンダン、お久しぶりです(笑)。今日は楽しんでいますね!

みんな友達ですから。それに、この映画は特別な作品だから僕も嬉しいです。だからこそ、もっと多くの人に知ってもらって、観てほしいと思っています。力を貸してね(笑)。

──素晴らしい映画でしたよ。本当に素敵でしたし、すごく泣きました。あなたの演技も、いつもながら素晴らしかった。日本語も本当に自然で、驚かされました。

そんなふうに言ってもらえて、とても嬉しいです。

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©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

──本心で言っていますよ。それに、お葬式のシーンであなたが「すいませ〜ん」と言いながら(手でチョップするような)割り込む仕草。あれ、すごく日本人っぽかったです!言語だけでなく、日本人らしい仕草も勉強したんですか?

もちろんすごく意識しましたし、たくさん質問しました。あれはHIKARI監督の指示で、僕はそれに従っただけです(笑)。僕は指示通りにきちんとやるだけの俳優です。

彼女は僕が場違いな場所にいるように、よそ者(アウトサイダー)として感じられるように、さまざまな状況や人々の中に置いてくれました。実際、僕はその空間で一番背が高いから、周囲から見れば“白人のよそ者”に見えますからね。

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監督の物語のコントロールはとても自然でした。彼女はこの映画を、東京への手書きのラブレターのように作っています。その宛先は“どこにでもある孤独”。桜色のインクで書かれ、キスで署名されたような映画です。まるで観客が、席を立つことなく、2時間のあいだ日本に滞在したかのような感覚を味わうことができる、素晴らしい映画芸術だと思います。

──この映画に出演してくださったことに、個人的に感謝したいです。東京のように人が多い街に住んでいてもなお、孤独や不安を感じることがあります。映画にもありましたが、日本ではメンタルヘルスが十分に語られていない部分もある。でもこの映画は、孤独でもいいんだよ、不完全でもいいんだよ、と教えてくれる。本当に必要なときには誰かに頼ってもいいんだよと、優しく伝えてくれていると感じました。
前作『ザ・ホエール』で来日された時も、インタビューさせていただきました。その時あなたは、「この映画は人を救う」とおっしゃっていました。この素晴らしい映画と、今回のあなたの素晴らしい演技で、またそれを成し遂げるのではないでしょうか。

『ザ・ホエール』を引き合いに出してくれたのが興味深いです。なぜなら『ザ・ホエール』は、健康上の理由で家から出られない男の話でした。物理的に起き上がることができず、大きな助けを求めていた。あの映画はそこに焦点を当てていました。そして『レンタル・ファミリー』もまた、人生に欠けているものを満たそうとする人々についての映画です。

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例えば『ザ・ホエール』の時は、 肥満行動連合(Obesity Action Coalition)という団体がアドバイザーとして関わってくれました。肥満とともに生きる人を手助けする人々です。彼らにとって最大の課題は、まず自分たちの問題に気づいてもらうことでした。人々は、恥や偏見、恐れから、「助けてほしい」と言えなかったんです。でも、『ザ・ホエール』が公開されてから、問い合わせ数が上がったんです。たくさんの人が連絡を取り、支援を求めるようになったんです。素晴らしいことです。

同じことは『レンタル・ファミリー』でも起こるかもしれません。依頼人たちはこの変わったサービスを利用していますが、大事なのは、彼らも助けを求めているということです。わかりますか?この2つは似ているんです。だから願わくば、最終的には、「ねぇ、もしかしたら良いことが起こって、人生がちょっとだけ良くなるかもしれないよ」と思ってほしい。たとえ短い間だとしても。現実と作り話、その二つが重なる摩擦点に、真の映画が宿るんです。

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──撮影の数週間前から日本に滞在されていたそうですね。日本で何か印象に残ったことはありますか?

港区に滞在していたので、詳しくなりました。もう街を歩いていても大きく迷うことはなさそう(笑)。でも、道に迷ってもいつも誰かが道案内をしてくれました。それに、どこで何を食べてもハズレがなかった。いつも美味しい。ファミリーマートの卵サンドか、セブンイレブンの卵サンドか、どっちが美味しいか決められなかった。だからいつも近くにある方を買いに行って、また食べてみようと。そんな感じで、卵サンドはたくさん食べましたね。美味しかったな。

──(笑)最後の質問です。好きな日本語は?

頑張って!お願いしまーす!
でも一番は、お疲れ様でした!

──ありがとうございました。これでお時間ですので、「お疲れ様でした!」

ありがとう!また日本で会おうよ!

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映画『レンタル・ファミリー』は絶賛公開中。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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