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クリント・イーストウッド新作映画、2019年12月に米国で急遽公開決定 ─ 撮影開始からわずか6ヶ月、賞レースに電撃乱入

クリント・イーストウッド
Photo by Fanny Bouton https://www.flickr.com/photos/fannysparty/3094495849/ Remixed by THE RIVER

『運び屋』(2018)『アメリカン・スナイパー』(2014)『グラン・トリノ』(2008)などの巨匠、クリント・イーストウッド監督の新作映画『リチャード・ジュエル(邦題未定、原題:Richard Jewell)』が、2019年12月13日に急遽米国公開されることがわかった。米Deadlineが報じている。

本作は1996年のアトランタ・オリンピックで発生した爆破事件を映画化するもので、爆弾を発見した警備員であるリチャード・ジュエル氏の人生が描かれる。当時、ジュエル氏は観客を避難させるなど被害を最小限に抑えることに貢献したが、のちに警察関係者から「犯人の疑いがある」との情報が流出し、一転して世間から犯人扱いを受けることになってしまった。のちに真犯人が逮捕されて疑いは晴れたが、本人の社会的・精神的な回復がなされないまま、ジュエル氏は事件から11年後の2007年に44歳で他界している。

配給を担当するワーナー・ブラザースは、もとより本作を12月13日に公開することを検討していたとのこと。イーストウッドが撮影を終了し、スタジオ幹部が作品を観たことから米国公開日が決定されたという。なお、『リチャード・ジュエル』の撮影が始まったのは2019年6月のこと。イーストウッドはハイペースで撮影を進めることで知られるが、撮影開始から6ヶ月後の劇場公開は異例だろう。Netflixなどストリーミング・サービスで作品を発表するメリットには「劇場公開作品には実現できないスピード感」が挙げられるものの、これは配信業界も裸足で逃げ出しかねない速さである。

主人公リチャード・ジュエルを演じるのは、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)『ブラック・クランズマン』(2018)の怪優ポール・ウォルター・ハウザー。ジュエル氏の弁護士を『スリー・ビルボード』(2017)でアカデミー賞に輝いたサム・ロックウェルが、ジュエル氏の母親を『ミザリー』(1990)「アメリカン・ホラー・ストーリー」シリーズのキャシー・ベイツが演じるほか、「Dr.HOUSE」(2007-2012)のオリヴィア・ワイルド、『ベイビー・ドライバー』(2017)のジョン・ハムも出演する。

原作は米Vanity Fairで発表されたマリエ・ブレンナー氏の記事「The Ballad Of Richard Jewell」で、脚本は『キャプテン・フィリップス』(2013)のビリー・レイが執筆。プロデューサーとして、本作に出演予定だったジョナ・ヒル&レオナルド・ディカプリオも参加している。

映画『リチャード・ジュエル(邦題未定、原題:Richard Jewell)』が、2019年12月13日に米国公開予定。すなわち本年度の賞レースに突如として参入するわけだが、いったいどんな作品に仕上がっているというのか。

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Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。