シリーズ最恐『ザ・リング/リバース』は、なぜ呪いのVHSビデオを復活させたのか ─ 監督へ訊いた

「見た者は7日後に必ず死ぬ」と言われる”呪いのビデオ”の恐怖を描く『リング』(1998)の衝撃から20年、世界的大ヒットシリーズ最新作がバージョンアップを遂げてハリウッドから再上陸を果たした映画『ザ・リング/リバース』が、2018年1月26日より待望の日本公開を迎える。「原点回帰」をモットーとした本作は、あえて「呪いのVHSビデオ」や「井戸」といった『リング』の象徴を改めて現代に蘇らせた。その真意とは?THE RIVERでは、F・ハビエル・グティエレス監督に直接聞いた。
VHSビデオ再登場の理由
「20年前の日本の作品『リング』(1998)はアイコニックな作品で、世界中で注目を浴びました。当時はVHSによる呪いのビデオでしたが、現在ではメディアも変わってきましたね。今回は、あえて原点のVHSビデオを描くことに意義があると思ったんです。
90年代からの進化をどう反映させるかを練りました。VHSは、あの時代から今の時代への変遷を際立たせるために絶対に使いたかった。この呪いのビデオは、劇中で最終的にはデジタルのファイルになっていくんです。VHSからデジタルへ、時代の変遷のメタファーになっているんですよ。」
「いえ、私の国では、特に井戸が恐怖の象徴ということはありません。しかし、井戸は『リング』シリーズでも象徴的なもので、特別な意味が込められていますよね。だから、どうしても登場させたかったんです。」

原点回帰絶賛の声に
ジャパニーズ・ホラーの代名詞として名高い1998年の日本映画『リング』ならびにその原作となった1991年の小説に忠実にありながら、その恐怖を現代にアップデートさせた本作は、原作小説の著者である鈴木光司氏にして「これぞ原点回帰。ハリウッドで作られたリングシリーズ史上、もっとも原作に忠実で、もっとも怖い。驚いた」とまで言わしめている。ハビエル監督は、このコメントに感無量だ。
「『リング』シリーズは日本が由来。日本の皆さんが本作をどう受けとめるだろうかと、いつも気にしています。ですから、鈴木さんのコメントは特に嬉しいですね。『ザ・リング/リバース』は、日本で生まれたオリジナル作へリスペクトを払った作品ですから。当然ながら、ハリウッド版ということで文化的にどう翻案するかは難しかったのですが、鈴木さんの原作小説にあったシュールレアリズム的な印象を守れるよう、かなりこだわりました。その鈴木さんに気に入って頂けて、本当に嬉しいです。」
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