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マーベル&ソニーほか、故スタン・リー氏の追悼映像を発表 ― ケヴィン・ファイギ社長、個人的な思い出と心境を明かす

©THE RIVER

マーベル・メディア名誉会長、アメリカン・コミック界の重鎮であるスタン・リー氏が、2018年11月12日にこの世を去った。95歳だった。数多くのスター俳優やクリエイターが追悼のメッセージを発信するなか、スタジオやファン、海外メディアでも故人やその業績を称える動きが広がっている。

『アベンジャーズ』シリーズをはじめとするマーベル・シネマティック・ユニバースを統括する米ウォルト・ディズニーとマーベル・スタジオ、また『スパイダーマン』シリーズや『ヴェノム』(2018)の製作を手がける米ソニー・ピクチャーズは、スタン本人の映像や関係者のコメントなどで構成された追悼映像を公開した。

また『X-MEN』のドラマシリーズ「The Gifted」(2017-)シーズン2では、2018年11月13日(米国時間)に放送された最新エピソード「no Mercy」にて、スタン氏を偲ぶエンドカードが特別に放送された。

このほか、米国カリフォルニア州の「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に設置されたスタン氏のプレートには、ファンからの花束やメッセージカードが続々と置かれている。コミック界、そして映画界に多大なる貢献を示した巨星の訃報を受けて、作り手やファンによるスタン氏を偲ぶ動きはしばらく続くことになりそうだ。

マーベル社長、思い出と心境を明かす

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米The Hollywood Reporterの取材に対してスタン氏との思い出を回想し、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースについても語っている。2000年代前半、ケヴィン社長はスタン氏から「怖いもの知らずのファイギ(Fearless Feige)」というニックネームを付けられたそうだ。

「電話が光ってて、メッセージをチェックしたら、“怖いもの知らずのファイギ!”って彼(スタン氏)が言うんですよ。“怖いもの知らずのファイギさん、スタン・リーです”って。ただの留守電だったんですけど、吹き込みたかったんでしょうね。僕は“スタン・リーがニックネームを付けてくれた”と思いましたよ。最高でしたね。」

奇しくもスタンの付けたニックネームは、その後、ケヴィン社長が自身の仕事を通して実証していった。いまやマーベル・シネマティック・ユニバースは、ハリウッドに燦然と輝く巨大シリーズとなったのだ。『アントマン&ワスプ』(2018)まで、その全作品にはスタンのカメオ出演がある。今後公開される作品に、スタンはどこまで登場するのだろうか。その質問にケヴィン社長は言葉を濁しつつ、「スタンからは“みんなはサプライズが大好き”ってことを学びました」とだけ答えた。

(スタン氏を称える)ふさわしい方法を考えることになるでしょう。けれどもマーベルに僕がいる18年間、“ふさわしい方法”とは、彼が生み出した素晴らしいキャラクターやストーリーを十分に発揮することだったんです。今後もそうしていきますよ。」

ケヴィン社長は、スタン氏がサインした映画のポスターを今後も大切にしていくことになるだろう、と述べてから、個人的な心境を打ち明けている。

「彼は95歳の老人でした。僕は現実的な人間なんですが…それでも彼はスタン・リーですから。初めて出会った時から、彼は僕よりもエネルギッシュな、神話上の伝説の人物だったんです。“スタン・リーは永遠に生き続けるだろう”と思っていた自分も、僕の中にはいるんですよ。」

Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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