ガイ・リッチー監督、『ジェントルメン』めぐって訴訟される ─ 過去作『ロックンローラ』続編の脚本との類似性が指摘

ガイ・リッチー監督が、2020年(日本公開2021年)の映画『ジェントルメン』をめぐって訴訟されたことがわかった。米Varietyが伝えた。
『ジェントルメン』は、マシュー・マコノヒーやチャーリー・ハナムらが出演したアクション映画。ロンドンを舞台に、麻薬王国の利権500億円をめぐるダーティーな駆け引きが描かれる。この物語が、リッチー監督の過去作の続編のために執筆された脚本に類似しているという。
原告は、リッチー監督の2008年の映画『ロックンローラ』製作・出演のミッキー・デ・ハラ。ジェラルド・バトラーやトム・ウィルキンソン、イドリス・エルバ、トム・ハーディらが出演した同作では、ロンドンのチンピラグループを描く犯罪群像劇が展開された。
主張によるとリッチーは、コカインと大麻を供給目的で所持して実刑判決を受けたデ・ハラの実体験に基づく内容の続編の執筆を依頼していた。当時リッチーには、『ロックンローラ』を3部作とする構想があったようだ。
デ・ハラは、主人公が麻薬ビジネスを営む脚本を執筆。これを完成・納品した2018年になって、リッチーが「もうギャング映画の時代は終わった」として企画はお蔵入りになったという。しかしその2年後、リッチーが監督・脚本・原案を手がけた『ジェントルメン』には、デ・ハラが『ロックンローラ』続編のため執筆した脚本に酷似した部分があると、原告側は主張している。
例えば、『ジェントルメン』にはコリン・ファレルが演じたコーチという名の格闘技集団リーダーが登場するが、デ・ハラの脚本にも同名で似たような設定のキャラクターが存在。コーチがカフェで若者たちに絡まれた際に、その1人の目に酢を吹きかけるシーンも、デ・ハラの脚本と同じだという。
『ジェントルメン』公開の後、デ・ハラはリッチーに2作の類似性をメールで指摘。リッチーの返信は「もう何年も君に連絡していたが、返事がなかったじゃないか。じっくり落ち着いて話し合おう」というものだったという。デ・ハラ側は、同作の公開前にリッチーから連絡があったことを認めていない。
後にデ・ハラは『ジェントルメン』の脚本家に自身の名を加えるよう要求したが、リッチーはもう手遅れになっていると断り、代わりに今後の別の作品で仕事を共にしようと提案。デ・ハラはこれを拒否し、『ジェントルメン』の収益に基づき250,000ドルの支払いを要求した。
『ジェントルメン』はドラマ化企画がNetflixで進行しているとの情報もあった。裁判の行方次第では、企画に影響することも考えられる。
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Source:Variety