【インタビュー】『ロケットマン』デクスター・フレッチャー監督は、エルトン・ジョンの物語をなぜミュージカルに仕上げたのか

── 僕がエルトンの楽曲の中で一番好きな曲は、この映画を観る前までは『ライオン・キング』の曲でした。でもこの映画を観てからは、「黄昏のレンガ路」になりました。
素晴らしい!私が一番好きな曲も「黄昏のレンガ路」ですよ。若い頃から大好きでしたね。映画ではタロンとジェイミー・ベルが歌いますが、素晴らしいですよね。
他にも「麗しのアモリーナ(Amoreena)」も良いし、「ロックンロール・マドンナ(Rock n Roll Madonna)」も最高。古い楽曲も良いんですよね。私は53歳なので、曲が流行っていた当時のことを覚えていますが、若い世代も同じように楽しんでもらえると思います。『ライオン・キング』の曲は皆さんもご存知でしょうが、他にも名曲がいっぱいあるんですよ。
── 改めて、この映画を作る最大の動機は何でしたか?
彼は「生ける伝説」として、50年も活躍されてきました。そんなに長い間、人々に影響を捧げた人はそういません。それに素晴らしい楽曲の数々もありましたし。この映画を「やるべき理由」ならいくらでもありますが、「やらない理由」はほぼ無かったですね。問題は、いつ、誰がやるかということでした。幸運なことに、今私達が実現させたということです。50年にも及ぶエルトンの音楽キャリアの一部になれて、とても光栄に思います。

── それでは最後に、監督は次回、ロバート・ダウニー・Jr.とジュード・ロウの『シャーロック・ホームズ』第3作を手がけられるそうですが……。
そうです。シャーロック3ね。
── ここで何か明かして頂くわけには……?
あー……、ロバート・ダウニー・Jr.が出ます。ジュード・ロウも出ます。そして……、なんと私が監督をやります。アハハ(笑)。今言えるのはこれだけ。間もなく始動しますよ。
── ちなみに、ガイ・リッチーはどうなったんですか?
ガイ・リッチーは別のことをやるみたいですよ。
── エグゼクティブ・プロデューサーなどでしょうか?
どうなんでしょう。分からないんです。可能性はあるかもですね。まだこの話は誰ともしていません。ガイは別のことをやるので、監督は出来ません。そこで幸運なことに、私に話が回ってきたんです。ガイは素晴らしい人物ですよ。

写真撮影時には、アーティスト然とした髪を自ら散らしてみたり、まとめてみたりとご機嫌だったデクスターは、このインタビュー直後にランチに出かけた。スタッフより「ベントー・ボックス(弁当)を用意しますよ」と伝えられ、「ベントー・ボックス?ベンって誰?トーって誰?」と、まるで少年のようにはしゃぎながら退室したのだった。
映画『ロケットマン』は2019年8月23日(金) 全国ロードショー。