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全てのVIRGINSに!ハロウィンの定番『ロッキー・ホラー・ショー』上映をメチャクチャ楽しみ尽くす6つのポイント

ハロウィンといえば『ロッキー・ホラー・ショー』である。異論は認めない。

1975年、リチャード・オブライエンの舞台劇の映画化として公開された『ロッキー・ホラー・ショー』。嵐の夜に電話を借りようと古城を訪問した新婚カップルが遭遇する、奇怪なキャラクターたちの奇怪なパーティーをミュージカルとして描いた本作は、その後オールナイト・プログラムの定番としてカルト映画の位置を確固たるものにしていく。『ヘアー』や『トミー』など、70年代には優れたミュージカル映画が多数作られたが、しかしどうして『ロッキー・ホラー・ショー』(と『ファントム・オブ・パラダイス』)だけが現代にまで上映され続ける作品となったのか。

それは、『ロッキー・ホラー・ショー』の上映はとにかく楽しいからだ。なんでもありで大騒ぎできる『ロッキー・ホラー・ショー』上映は、もはや映画を越えたアミューズメントとして、欧米ではデートコースの一つに挙げられるほどの大人気を誇っているのである。

そして、ここ日本でも『ロッキー・ホラー・ショー』愛は受け継がれている。

たとえば、『ロッキー・ホラー・ショー』ファンクラブ“LIP’S”によるパフォーマンス付上映のクオリティーたるや、極上で至福でお下劣な映画体験として、多くの映画ファンの心を奪い続けている。LIP’Sは今年923日にはカナザワ映画祭にてパフォーマンスを行い、会場を熱狂に巻き込んだ。しかも、10年の歴史を誇るカナザワ映画祭で、観客リクエスト1位という期待を引っさげての登場である。LIP’Sの作品愛に裏打ちされたパフォーマンスがいかに素晴らしいかを証明しているといえるだろう。

そして、『ロッキー・ホラー・ショー』パフォーマンス付上映を体験していない者は“VIRGIN”と呼ばれ、蔑まれる運命にある。やーい!やーい!

でも、大丈夫。今年もハロウィンに向けて、VIRGINを捨てるチャンスが来るのだ。

10/30 18:30~

KAWASAKI HALLOWEEN 2016

http://lacittadella.co.jp/halloween_program_3/#rocky

 

『ロッキー・ホラー・ショー』パフォーマンスは、非常に緻密な台本を基にして団体ごとに個性を発揮しながら行われる。そして、観客も合唱、野次、ダンスなどで映画の一部となり、参加が求められる。もちろん、上映前には振り付けなどの説明が行われるのだが、ここではVIRGINたちがスムーズに楽しめるよう、パフォーマンス付上映の定番をまとめてみた。これで、準備万端で『ロッキー・ホラー・ショー』に参加できるはずだ。 

【1】野次やコーラスを覚えてこよう

『ロッキー・ホラー・ショー』上映で会場一体になる定番がオープニング曲“Science Fiction/Double Feature”である。原曲にはない合いの手を観客が入れることで、映画の世界がぐんと身近になるのだ。ちなみに合いの手は検索すればこういうサイトがいくつも出てくる。

http://www.slideshare.net/ChrysCynthiaLFisher/the-complete-fan-guide-to-the-rocky-horror-picture-show

野次の定番なども書かれているので参考にするべし。

【2】困ったら”ASSHOLE”と叫んどけ

主人公であるジャネットとブラッドのカップルにはそれぞれニックネームが付けられる。ジャネットは“SLUT(サセコ)”、ブラッドは“ASSHOLE(ケツの穴)”という素晴らしいニックネームだ。二人の初登場カットでは、思い切りニックネームを叫んであげよう。

その後、ブラッドが画面に映るたびにとりあえず“ASSHOLE”と叫んでおけば問題なし。飽きてきたら“SUPER ASSHOLE”、“GREAT ASSHOLE”というふうに変化を加えてみるのもいいだろう。

【3】小道具はできるだけ持参しよう

『ロッキー・ホラー・ショー』パフォーマンス付上映では、盛り上げに必要な小道具を予め用意してもらっていることが多いが、念のため持参しておくのがベターだ。手に入れやすいのは新聞紙とトイレットペーパー。何に使うかはお楽しみ。ベルやガラガラ系の音出しアイテムもあると盛り上がるが、『ロッキー・ホラー・ショー』本編と違うものを持ってきてしまうと軽く恥をかくのでご注意。

【4】ダンスは恥ずかしがるほうが恥ずかしい!

『ロッキー・ホラー・ショー』パフォーマンス付上映の最大の楽しみは名曲“Time Warp”で会場中が踊るダンスである。簡単かつユニークな振り付けは、当日にレクチャーがあるはずなので、予習の必要は絶対ではない。注意したいのはむしろ、斜に構えて踊らなかったり、恥ずかしがって振りが小さくなってしまったりすること。それは「欲望に素直になろう」という『ロッキー・ホラー・ショー』という作品のテーマからもっとも外れた行為なので、思い切って踊るべし。 

【5】野次で注意したいこと

上級者の楽しみ方として、どんどんアドリブで野次を飛ばしてみる、というものがある。気の利いた野次で会場が沸いたときは気持ちがいい!ただ、注意したいことが二つある。上映側の進行を妨げるような野次は飛ばさないこと、そして作品を貶めるような不快な内容は自粛することだ。下品にもマナーがあるのだと覚えておこう。

【6】そして『フェーム』を見ておこう

カナザワ映画祭で初めて『ロッキー・ホラー・ショー』上映が行われたとき、ガイド役を務めてくれた高橋ヨシキ氏が「『フェーム』っていう映画が参考になるよ」と教えてくれた。社会派アラン・パーカー監督が音楽専門学校の生徒たちを描いた群像劇だが、なんと作中のカップルがデートで『ロッキー・ホラー・ショー』を観に行くシーンがあるのだ。これがパフォーマンス付上映の指南にもなっているので、雰囲気を掴むためにチェックしておこう。

お分かりだろうか?『ロッキー・ホラー・ショー』の上映とは映画と舞台とコンサートをごちゃ混ぜにしたようなカオス空間である。一生に一度といわず、何度でも味わいたくなるスペシャルな体験になるはずだ。では、GIVE MER!O!C!K!Y!

Writer

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石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。